アルゼンチンが両替規制
【サンパウロ共同】
南米アルゼンチンからの報道によると、同国政府は1日、
最近の通貨ペソの下落を受けて企業や個人に対する
外貨両替規制を導入すると発表した。
中央銀行のドル売り介入による外貨準備高の減少に
歯止めをかける狙い。
個人のドル購入は月1万ドル(約106万円)に制限され、
超える場合は中銀の許可が必要になる。
輸出企業も中銀の許可が必要な上、
期限内に外貨収入を国内市場でペソに
変換することが
義務付けられる。
米格付け会社
S&Pグローバル・レーティングは29日、
アルゼンチンの長期外貨建て国債の格付けを
「B-」から「SD」に引き下げた。
同国の長期自国通貨建て国債の格付けは
「B-」から「D」に引き下げられた。
世界的汚職ゼネコン企業
ブラジル・オデブレヒト/
民事再生申請 負債額約2.7兆円
オデブレヒトは6月、ブラジル・サンパウロ州の裁判所に
裁判上の再生手続きの適用を申請していたことが判明した。
負債額は985億レアル(約2兆7000億円)と、
同国史上最大の倒産。
同社は、南アメリカから中米、アフリカまで進出し、
公共工事を受注するため、
各国の要人たちと汚職のネットワークを構築していた。
アルゼンチン、ベネズエラ、コロンビアから中米諸国、
アフリカ。
各国の現役の首脳なども収賄しており、
汚職を嫌う米政府が追及している。
すでに関係した各国の首脳たちが自殺や逮捕、逃亡などはかっている。
ペルーの大統領候補だったケイコ・フジモリもブラジルの
オデブレヒトを介して
事件への関与が疑われ、逃亡のおそれがあるとして、
2018年11月より予防拘留処置が取られている。
アングル:「助けて」と訴える収容者、
米国移民施設の実態
[ワシントン/ニューヨーク 2日 ロイター] -
米政府の監察組織は2日、危険な過密状態にあるメキシコ国境の移民収容施設が、さらに複数確認されたと発表し、
テキサス州南部のリオグランデバレーにある混雑した施設内の写真を公開した。
これらの施設では、一部の子どもたちがシャワーを浴びることもできず、冷えた食事のみを与えられていた。
米国土安全保障省の監察組織が作成した報告書は、この過密状態が「今にも爆発しかねない時限爆弾」のようだと指摘。
施設の監督責任者らは、収容者やスタッフの健康と安全を懸念しているという。
報告書は6月中旬、リオグランデバレー地域にある税関・国境警備局(CBP)の施設5カ所を訪問してまとめられたもので
、移民収容施設の管理状態への批判にトランプ政権が反論する中、公表された。
同監査組織は5月、テキサス州エルパソの施設で移民たちが規定で定められた数日ではなく、数週間にわたり拘束されていること、大人たちが立ったまま部屋に入れられていることなどを報告した。
以来、移民収容施設の状況は米国内で大きな議論を巻き起こしている。
保安に関わる出来事として報告された事例の中には、収容者が部屋から出るためにトイレを詰まらせたこと、部屋に戻ることを拒否したこと、さらに税関・国境警備局が武力に訴えることを示すため、特殊作戦部隊を呼んだことなどが含まれていた。
調査員が到着すると、移民たちは部屋の窓をたたき叫んだという。
成人男性のほとんどは、最長で1カ月収容されていたにも関わらず、シャワーを一度も浴びていなかった。
写真に写った男性は、すし詰めの部屋で紙を掲げ、「助けて。
40日ここにいる」と訴えた。
国境地帯の中でも、リオグランデバレーは拘束される移民の数が特に多い地域で、中米からの亡命希望者が殺到した5月は過去13年間で最多となった。
調査員が訪問した当時、この施設は8000人を収容しており、うち3400人は規定の72時間を超過して収容されていた。
<飲み水はトイレから>
7月1日にエルパソの施設を訪問した連邦議員団は、移民たちが劣悪な環境の中収容されていると訴えた。
一行は視察前に携帯電話を預けるよう命じられたが、民主党のホアキン・カストロ下院議員が機器を持ち込み、部屋に詰め込まれた女性たちの動画を撮影した。
一部は50日間拘束されており、子どもと引き離された人たちもいた。
15日間もシャワーを浴びていなかったり、必要な薬を与えられていない人もいたという。
民主党のアレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員は、移民がトイレから水を飲むように言われていると批判した。
これに対し、ホワイトハウスのギドリー報道官はFOXビジネス・ネットワークのインタビューで「オカシオコルテス氏が何を言っているのか分からない」と述べ、CBP職員は「地球上で最も勇敢な類の人々だ」と主張。
「彼らは日々命を危険にさらしている。
不法滞在者に1日3食と2回の軽食を与えている」と反論した。
トランプ氏は、2020年大統領選挙での再選に向け、不法移民対策を国内政策の柱に掲げている。
しかし、当初の目標だった国境の壁は議会の承認を得られず、不法移民から子どもを隔離する政策が国民の怒りを呼び、
「ゼロ寛容」政策からの転換を余儀なくされた。
ニューヨークでは2日、トランプ政権の移民への対応を非難するデモが行われ、数百人が参加した。
今後は連邦議員らをターゲットとした、全国規模のデモが予定されている。
トランプ政権が今後、すでに入国している不法移民の一斉検挙に踏み切ることへの恐怖も、デモの原因となった。
トランプ大統領は先月、一斉検挙を2週間延期すると発表している。
中米からの移民の流れは、5月をピークに急激に減った。
米国の関税を回避するため、メキシコ政府が移民対策を強化し、武装した警官数千人を投入して警備に当たらせたためだ。
(翻訳:宗えりか、編集:久保信博)
6月のアマゾン伐採は前年比88.4%増、
年間でも前年上回るペース
[ブラジリア 3日 ロイター] -
ブラジルの宇宙研究機関の調査で、
同国のアマゾン地域における熱帯雨林の伐採が
6月に前年同月比88.4%増加し、
ボルソナロ大統領就任以来2カ月連続で増加していることが
分かった。
これは速報値だが、より詳細な画像から計測される
公式統計で7月までの
1年間の伐採面積が昨年を優に超えることが示唆されている。
過去11カ月では、すでに前年の同じ時期を
15%上回っているという。
環境活動家らは、ボルソナロ大統領がアマゾン地域の
開発を強く呼び掛けたり、
自然保護当局が罰金をかけ過ぎていると
批判したりすることで、
伐採から利益を得ようとする牧場や林業関係者が勢いづくと
警告している。
一方ブラジル政府は、先週欧州連合(EU)と
南米南部共同市場(メルコスル)が
自由貿易協定(FTA)締結で暫定合意したことを受け、
環境保護に向け一段の圧力にさらされている。
伐採は4月までの雨季の間は小康状態にあったが、
5月に乾季が訪れるとともに再び増加に転じ、
5月の伐採は前年同月を34%上回った。
ブラジルのサレス環境相はロイターに、
「違法な森林伐採対策にあらゆる手段を講じている。
今週は、(自然保護当局から)アマゾン全域に
17の実践チームの派遣を同時に受けた」と述べた。
米国移民問題の裏にある中米「コーヒー危機」
ロイターのアングル(翻訳:山口香子、編集:久保信博)
[ラコロニア(ホンジュラス)/カモタン(グアテマラ)
27日 ロイター] -
2018年も終盤に差し掛かったころ、
ホンジュラスのコーヒー農家、
マリオ・ロペスさんは、故郷の経済的苦境を脱して米国に渡ろうと、コヨーテと呼ばれる密入国請負業者に代金を支払った。
11月中旬、ロペスさんは12歳の娘を連れ、メキシコを縦断する35日間の危険な旅に出発した。
コーヒーの国際価格が急落し、一生かけて取り組んできたコーヒー生産のビジネスがダメになったためだ、と、
ロペスさんの妻はロイターに話した。
「夫は借金を抱えており、コーヒー生産だけでは満足に食べ物を買うこともできなくなったので、移民せざるを得なかった」と、
妻のカルメン・アンディノさんは、ホンジュラス中部の町ラコロニアにある質素な干しれんが造りの自宅玄関で話した。
クリスマスの直前、ロペスさんは娘1人とともに米国に到着した。
それ以降、ロペスさんはラコロニアに残った妻と3人の子どもに仕送りを続けている。
ラコロニアは、同国最大の輸出品であるコーヒーの生産が盛んだ。
「価格が今のような水準では、できることは何もない」
アンディノさんは、かつて一家を支えてくれたコーヒー農園を眺めながら言った。
農園はいま、耕作する人もなく、放棄されている。
コーヒーの国際価格は5月、この13年で最低の水準まで下落した。
価格はその後やや持ち直しているが、下落の主な原因はブラジルと
ベトナムの生産拡大だ。
ロペスさん一家の状況は、ロイターが取材した
、コスタリカ、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、そしてニカラグアから米国を目指す
数十のアラビカコーヒー農家に共通したものだ。
こうした国々からの移民が米国境に押しかけ、トランプ米大統領をいらだたせている。
米国の会計年度が始まった2018年10月から8カ月間で、
メキシコ国境で米国への入国を拒否されたり拘束された移民の数は、すでに57万人を超え、前年度1年間を上回った。
こうした移民の大半は、中米諸国の出身だった。
高品質でエスプレッソなどに用いられるアラビカコーヒーのうち、
中米は10%を生産している。
コーヒー産業は、ホンジュラスの国内総生産(GDP)の約5%を占める。
コーヒー価格の下落は、米州諸国の一部最貧国の、多数の雇用を抱えた産業を直撃しており、
当局者らはその影響を今も検証中だ。
<危険な旅>
そのこともあり、娘のデルミは出て行った。
ラミレスさんは、しおれたコーヒーの木に囲まれた泥レンガの自宅前でこう話した。
ラミレスさんは今、借金を返すためにトウモロコシを栽培している。
近所には、ましな未来を求めて米国へと旅立った人もいる。
だが
農家の借金を増やすだけになるリスクがあると指摘する。
「農家が必要としているのは、自分の農地を肥やすことと、家族を食べさせるためのお金だ」と、
ルイス・フェルナンダ・コレアさんは言う。
「親が成功していないことを目にした子供たちは、この産業に関心を持たない。
別の仕事を探したがる」と、コレアさんは付け加えた。