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NY特急便

22日の米株式市場ではS&P500種株価指数が続伸。

22日の米株式市場では
S&P500種株価指数が続伸。

経済対策で新たな歳出法案がまとまる可能性や新型コロナウイルスのワクチン開発への楽観が、
米中摩擦エスカレートへの懸念に勝った。

米国債は長めの年限が買われた。ドル指数は一時、3月以来の低水準。
  • 米国株はS&P500が4日続伸、経済対策やワクチンに期待
  • 米国債は長期債が上昇、10年債利回り0.60%
  • スイス・フラン高い-ユーロも上昇
  • NY原油先物は小反落、ドル安の助けで下落をほぼ埋める
  • NY金先物、4日続伸し過去最高値に接近-銀は8%超上昇
  S&P500種は5カ月ぶり水準に上昇。

公益や不動産、資本財・サービスの上昇が目立った。

トランプ政権と上院共和党が失業保険の上乗せ給付を短期間延長する可能性を協議していると、関係者が明らかにした。

早い時間帯には、米国がテキサス州ヒューストンの中国総領事館の閉鎖を命じたと伝わったことが弱材料になっていた。

S&P500種は前日比0.6%高の3276.02。ダウ工業株30種平均は165.44ドル(0.6%)高の27005.84ドル。

ナスダック総合指数は0.2%上昇。ニューヨーク時間午後4時2分現在、米10年債利回りはほぼ変わらずの0.60%。

  クロスマーク・グローバル・インベストメンツのチーフ市場ストラテジスト、ビクトリア・フェルナンデス氏は、
ボラティリティーは高いが、投資家は数多くの相場変動要因を受け流してもいると指摘した。

  製薬大手ファイザーの株価は急伸。同社と独バイオNテックが共同開発する
新型コロナウイルスワクチン1億回投与分の供給を米政府が確保し、最大5億回投与分の追加取得でも合意した。

企業決算も引き続き注目を集め、慎重な見通しを示したテキサス・インスツルメンツ(TI)は株価が下落した。

  為替市場ではスイス・フランが金相場の上昇につれて買われた。ドルは対フランで一時0.5%下げ、
3月10日以来の安値を付けた。ユーロも堅調。モメンタムの買いや押し目買いの需要で上昇基調が続いた。

  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.3%低下。

ドルは対円では0.4%高の1ドル=107円20銭。ユーロは対ドルで0.4%高の1ユーロ=1.1573ドル。

  ニューヨーク原油先物相場は小反落。在庫統計で需要の弱さが明らかになり、
朝方は一時1.9%下げたが、ドル安と米株式相場の堅調に助けられ、下げをほぼ埋めて引けた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物9月限は、
前日比2セント安い1バレル=41.90ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント9月限は、3セント下げて44.29ドル。

  ニューヨーク金先物相場は4営業日続伸。過去最高値への距離をさらに縮めた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は前日比で1.1%高い1オンス=1865.10ドル。

新型コロナ感染の再拡大や、成長減速、マイナスの米実質金利、政治的緊張、
ドル安などを背景に、貴金属市場には投資資金が逃げ込んでいる。

銀の買い材料には供給不安が加わり、この日は一時8%を超える値上がりとなった。 

個人消費、4月は前月比13.6%減 米過去最大の落ち込み

米個人消費、4月は前月比13.6%減 
過去最大の落ち込み

[ワシントン 29日 ロイター] -

 米商務省が29日発表した4月の個人消費支出(季節調整済み)は
前月比13.6%減と、
1959年の統計開始以降で最大の落ち込みとなった。

第2・四半期の米経済成長がグレート・ディプレッション(大恐慌)
以来最大の縮小となる可能性を示唆した。

ロイターがまとめたアナリスト予想は12.6%減だった。

3月は6.9%減だった。

4月は歯科医院の閉鎖に加え、新型コロナウイルス感染者の治療増加を
背景に急ぎではない手術や緊急外来の受診が延期されたことで医療費が減少。

宅配や店頭での受け取りのみとなったレストランのほか、

ホテルなどでの支出も減った。

食品・飲料品への支出も減少した。

変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア個人消費支出(PCE)価格指数は
前月比0.4%低下と、2001年9月以来の大幅な落ち込みだった。

3月は変わらずだった。

前年比のコアPCE価格指数は1.0%上昇。

3月の1.7%上昇から鈍化し、伸び率は10年12月以降で最小だった。

PCEコアの前年同月比は米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安としている。

個人所得は10.5%増と過去最大の伸びとなった。

新型コロナ対策として1人当たり1200ドルの現金が支給されたほか、
失業給付が寄与した。
3月は2.2%減少だった。
4月の賃金は8.0%低下した。

ジョー・クローム氏死去「トレーダー・ジョーズ」創業者)

ジョー・クローム氏死去89歳​​​​​​​ 
(米大手スーパーマーケット
「トレーダー・ジョーズ」創業者)

米メディアによると2月28日、

西部カリフォルニア州パサデナの自宅で死去、89歳。

 30年6月、同州サンディエゴ生まれ。

67年にパサデナで1号店を開店。

高品質のプライベートブランド商品を手頃な価格で提供し、

人気スーパーの礎を築いた。

88年の引退時の店舗数は20店程度だったが、

現在は500店以上に増えている。

(ニューヨーク共同

米新聞大手「マクラッチー」が破産法申請、1857年創業

米新聞大手「マクラッチー」が破産法申請、
1857年創業

アメリカ・カリフォルニア州に本拠を置く大手新聞社の
「マクラッチー」は、

2月13日付でニューヨーク州南部の連邦破産裁判所へ破産法第11章

(日本の民事再生法に相当)を申請したと発表しました。

1857年に創業の同社は、「マイアミ・ヘラルド」などの

地方紙を約30紙発行するアメリカ第2位の老舗新聞社で、

近年はデジタルへの移行を積極的に進めていました。

しかし、紙媒体の衰退による売上の減少に加え、

デジタル化への投資やそれに伴う収益化に苦戦していることから、

自力での再建を断念し今回の措置に至ったようです。
                ☟

27日からの米株式市場は、

[ニューヨーク 24日 ロイター] - 27日からの米株式市場は、
相次いで発表されるハイテクおよびインターネット関連企業の決算に注目が集まっている。

これらの企業はこれまで相場をリードしてきたものの、
「FAANG」と称される強気相場牽引企業の一角である
ネットフリックス(NFLX.O)は、
21日発表の決算が予想を下回って売りが加速した。

市場では、残りのFAANGであるフェイスブック(FB.O)、
アップル(AAPL.O)、
アマゾン・ドット・コム(AMZN.O)、グーグル親会社のアルファベット(GOOGL.O)のほか
、マイクロソフト(MSFT.O)の発表内容に注目が集まっている。

シノバス・トラストのポートフォリオマネジャー、
ダニエル・モーガン氏は、これらの企業は
「ハイテク株のキャデラック」で、今後もS&P500種指数を押し上げるとの見方を示した。

ただこれらの銘柄の多くは、すでに最近の上昇が市場全体を
大幅に上回っており、
ここからさらに値を上げるには決算内容や今後の見通しでかなりの
ポジティブ・サプライズが必要になるとの指摘もある。

ハンティントン・ナショナル・バンクのチーフ・インベストメントオフィサー、ジョン・オーガスティン氏は
「決算の数字や発表内容がさえなければ、株価が下押す可能性がある。

一段高には業績とガイダンスの両方が予想を上回る必要がある」
と指摘した。

リフィニティブの調査では、S&P500種採用企業の第4・
四半期は、
利益が前年同期比0.8%減、売上高が4.4%増となる見込み。

28日はアップルが10─12月期決算を発表。利益は8.7%増、
売上高は4.8%増と予想されている。

29日はフェイスブック、マイクロソフトの決算が発表される。

フェイスブックは利益が6.2%増、売上高は23.4%増の予想。

マイクロソフトは同20%増・9.9%増が見込まれている。

30日の発表はアマゾン・ドット・コムで、売上高は18.7%増、1株利益は投資拡大の影響で30%超の減少となる見込み。

アルファベットの決算発表は2月3日で、利益は1.7%減、
売上高は19.5%増と予想されている。

追報:米電力会社PG&E/破産法適用申請(民事再生) 山火事補償

米電力会社PG&Eは1月29日、米連邦破産法第11条

(民事再生法に相当)の適用を申請した。

2017年と18年にカリフォルニア州北部で発生した山火事に

関連する負債が膨らんだ。

1月29日、米電力会社PG&Eは米連邦破産法第11条

(民事再生法に相当)の適用を申請した。

同社は裁判所に対し、55億ドルの事業再生融資

(DIPファイナンス)を認めるよう申し立てた。

破産法の適用は、カリフォルニア州北部地区の連邦破産裁判所に

申請した。

裁判所への提出資料によると、PG&Eの資産は713億9000万ドル、負債は516億9000万ドル。

ジョン・サイモン暫定最高経営責任者(CEO)は「当社は、再建期間を通じて、山火事の安全対策を強化し、カリフォルニア州北部の壊滅的な山火事で影響を受けた地域社会の復興と再建を支援していくことを強く確約する」と表明した。

同社は、破産法の適用申請日以降の商品・サービスの購入については、取引先に通常の条件で代金を全額支払う方針。

裁判所がこうした申し立てに数日中に対応するとの見通しも示した。

株主で投資会社のブルーマウンテン・キャピタル・マネジメントは「破産申請という無責任な計画」の放棄を求める複数の関係者の要求をPG&Eの取締役会が無視したことに「深く失望」していると表明している。

ブルーマウンテンは、2月21日までにPG&Eの取締役候補を提示するとしており、同社の変革を支持するよう全株主に呼び掛けた。

カリフォルニア州では昨年11月、「キャンプファイア」(架線ショートや変電機器による火災)と呼ばれる山火事が発生。

死者数は少なくとも86人に上り、山火事としては同州史上最大の死者数を記録した。

PG&Eは、同社の設備が「キャンプファイア」やその他の山火事の原因と確定すれば、保険でカバーしきれない「相当の支払い義務」に直面する可能性があると警告していた。

カリフォルニア州森林保護防火局は2019年1月、2017年の大規模山火事「タブスファイア」について、PG&Eの設備が原因ではないとの調査報告を出した。

ただ、PG&Eは「タブスファイア」など2017年の山火事の被害を受けた住宅や事業の所有者からの多数の訴訟に直面している。

米、ベネズエラ国営石油会社への制裁発表

[ワシントン 28日 ロイター] 

- 米政府は28日、ベネズエラ国営石油会社(PDVSA)

[PDVSA.UL]に対する制裁を発表した。

ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は

「米政府はこれまでマドゥロ大統領とその仲間らの

腐敗を暴いてきたが、

きょうの対応で彼らは不正利得が確実に得られなくなる」と述べた。

PDVSAはベネズエラにとって最大の収入源。

PDVSA傘下には米国に製油所を持つ

シトゴ・ペトロリアムがあり、

ベネズエラの最も重要な海外資産となっている。

PDVSAに対する制裁は、

マドゥロ政権がシトゴから資金を吸い上げることを防ぐ狙いだと

米高官は説明した。

これまでトランプ米大統領は、石油部門を狙った制裁は控えてきた。

ベネズエラ国民の生活が一層苦しくなり、

米国内の企業や消費者にも影響が及ぶことを米国は懸念していた。

ムニューシン米財務長官は、米国内のシトゴについて、

資金が管理された口座に送金されることを条件に、

米国内の営業を継続できると説明した。

ムニューシン氏は、石油供給は十分で、

米国内のガス価格にすぐに影響を及ぼすことはないと指摘した。

売り止まぬトルコリラ、「危機の傷」癒えず

[ロンドン 15日 ロイター] -
 昨年約20年ぶりの大幅な下落を記録したトルコリラだが、金融政策当局の信認がかろうじて崩壊を免れ、為替市場が世界的に落ち着きを取り戻したことから、今年は持ち直しを予想する声が多かった。
しかし年初からの動きは期待を大きく裏切っている。
トルコは政治的な緊張やガバナンスへの不安、金融・財政政策の不透明さなどの悪材料が今もリラの重しとなっている。
昨年のリラ急落の悪影響がまったく薄らいでおらず、中銀が現行の金利水準を維持し、リラ安による物価上昇を食い止めることができるかが問われている。
北大西洋条約機構(NATO)の同盟国である米国との関係が悪化しているほか、中銀が早すぎる利下げに動くのではないかとの懸念が広がり、政府は3月の地方選を控えて財政支出を増やそうとしている。
こうした要因が重なってリラは他の通貨をアンダーパフォームしている。
ノムラのイナン・デミル氏は「今後数日以内に市場の懸念が薄れれば、リラも安定するだろう。
しかしより重要なのはこうした要因が消えていないことで、明らかに当面残りそうなものもある」と述べた。
トルコの経済状況を5つの相場の動きから探ろう。

●リラは下げ止まらず
リラTRY=は昨年まで通年ベースで6年連続で下落。2019年も年初から3%安と新興市場国通貨で最も下げがきつい。
最近のリラ安は、日本の個人投資家による3日の売りをきっかけに始まった。
昨年末に買った分を一気に手放したことから、リラは対円で10%近く急落。
東京金融取引所のデータによると、日本の個人投資家によるこの日のリラの長期ポジションの売り越しは4万2743枚と、昨年8月以来の高水準だった。

●株式は大幅下落
トルコ株式市場は昨年、リラ建てで20%下落した。
国際金融協会(IIF)のデータによると、外国人投資家は昨年、トルコの株式と債券を売り越した。
株式と債券の両方で売り越しとなったのは2015年の危機以来で、株式市場からは10億ドルが流出した。
中銀のデータによると、株式と債券からの資金流出は年明け後も続いている。
非居住者は1月4日に終わった週に株式と国内債券を売り越した。

●債券は割高
JPモルガンは長期平均からの乖離を調べ、トルコの10年物国債は世界で最も割高だと結論付けた。
ドイツ銀行は先に、投資を避けるべき金融商品のリストにトルコ国債を掲載した。
トルコ国債は10年物の利回りが15.7%なのに対して、インフレは20%を超えており、既に実質利回りが大幅なマイナスとなっている。

●相次ぐ格下げ
トルコは混乱の深刻化に伴い、昨年主要な格付け会社から相次いで格付けを引き下げられた。
S&Pグローバルは3カ月間に2度の格下げを発表し、ムーディーズも格付けを2度下げた。
ムーディーズとフィッチの格付けはS&Pの「Bプラス」に相当し、まだ引き下げ余地がある。

●ボラティリティは高止まり
デリバティブ市場は今年のリラ相場について、混乱は小さくなるが完全な沈静化は見込めないと示唆している。リラのインプライドボラティリティ(予想変動率)は1週間物から1年物までがすべて、リラ危機が最も深刻だった昨年8月の半分以下の水準に低下した。
しかし新興国市場が世界的に上昇基調を保っていた昨年同時期に比べると、まだ2倍以上だ。

●くすぶる早期利下げの不安
トルコ中銀は16日の会合で政策金利を24%に据え置く見通しだ。
しかしインフレが急低下しており、予想を裏切る中銀の過去の政策判断や大統領の利下げ要求などから、中銀は今回は現状維持を決めても早い段階で利下げに踏み切るのではないかと関係者は危惧している。
利下げの次期と幅はリラと債券の両市場を大きく左右する。

(Karin Strohecker記者、Marc Jones記者)

シカゴ穀物(15日)大豆/小麦/トウモロコシ

豆ミールは続落。
3月きりの清算値は2.5ドル安の309.3ドル。  
大豆油も続落。
3月きりの清算値は0.16セント安の28.24セント。

続落。約2週間ぶりの安値を付けた。
テクニカル要因による売りが出たことに加え、
主要な輸入国・中国の需要への懸念が響いた。  
3月きりの清算値は10.25セント安の893.25セント。
20日と50日の両移動平均の突破に難儀し、100日移動平均をわずかに上回る水準で引けた。  
米中貿易協議をめぐる懸念が穀物相場を圧迫した。
グラスリー米上院議員は15日、米通商代表部(USTR)は先週の中国との
貿易協議で構造的問題に関して進展はなかったとみていると語った。  
中国でのアフリカ豚コレラ発生をめぐる懸念も相場を圧迫。
中国農業省は、豚コレラの感染拡大を受けて91万6000頭を殺処分したと発表した。

続落。
テクニカル要因の売りが出たことに加え、トウモロコシや大豆が
大幅に下げたことで小麦も圧迫された。  
3月きりの清算値は3.25セント安の511.0セント。
3月きりは20日と50日の移動平均などテクニカル上の節目の
水準にある上値抵抗線の突破に苦しんだ。  
米中貿易協議をめぐる懸念が穀物相場を圧迫。
またドル高も小麦相場の重しになった。  
米プレーンズでの最近の降雪が、急な寒波から一部の作物を守れるほど
広範囲ではなかったとの懸念が、相場の下げ幅を抑えた。

トウモロコシ大幅反落、約7週間ぶりの安値を付けた。
テクニカル要因による売りが出たことに加え、米中貿易協議への懸念が響いた。  
3月きりの清算値は7.25セント安の371.25セント。
一時は11月28日以来の安値を付けた。
下落率1.9%は3カ月半ぶりの大きさ。  
3月きりはチャート上で20日、50日、100日のそれぞれの移動平均での下値支持線を割り込んだ。  
米中貿易協議をめぐる懸念が穀物相場を圧迫。
グラスリー米上院議員は15日、米通商代表部(USTR)は
先週の中国との貿易協議で構造的問題に関して進展はなかったとみていると語った。
(ロイター時事)

米電力会社PG&Eが破産へ 加州山火事の影響

米カリフォルニア州で相次いだ山火事で、出火原因との関連が指摘されている地元の電力会社が14日、訴訟などによって日本円で3兆円を超える負債を抱える可能性があるとして、日本の民事再生法にあたる連邦破産法11条の適用を申請する準備に入ったと発表した。

アメリカ連邦破産法11条の適用を裁判所に申請する準備に入ったのは、カリフォルニア州の大手電力会社、PG&E。

カリフォルニア州では、昨年11月に北部のパラダイスで大規模な山火事が発生して86人が死亡し、火が出る直前にこの電力会社の送電線に不具合が起きていたことが確認されている。

また、一昨年10月に葡萄畑が広がワイナリーが集積する北部のソノマ郡やナパ郡で発生した山火事では40人以上が死亡し、消防当局はこの電力会社の設備の火花が一因だったと結論づけた。

カリフォルニア州では、一連の山火事でこの会社を相手取った多くの訴訟が起きていて、

会社によると負債は300億ドル、日本円で約3兆2千億円を超える可能性があるということで、
1月29日にも破産法の適用を申請する予定という。

PG&Eは「今後も電力の安定供給を続ける」とコメントしている。

電力会社は、本来は収益が安定しているが、PG&Eの株価は、一昨年10月に山火事が発生する前の水準に比べて90%近く下落している。
以上、
加州の山火事は
1、電力会社の送電線や電力施設の老朽化
2、雷
3、アウトドアの火の後始末不足
4、タバコ等の投げ捨て
5、住宅火災からの延焼
などが挙げられている。

電力会社の経営陣は、利益に先走知るしかなく、老朽化のため送電施設を更新すれば、利益が出なくなり、ハゲタカ株主たちから評価されず、能無しとして辞めさせられてしまう。

経営陣は、利益をより多く出し続ける宿命を帯びている。

ハゲタカ経済(=竹中平蔵が導入した新自由主義)の限界だろう。

フクシマ原発大爆発とも共通している。

天災は忘れたころにやってくるという日本の古えからの教訓は、自らの利益だけに執着する政治家・官僚・御用学者・ハゲタカ経済の経営陣にはまったく生かされない。

米ニューモント:ゴールドコープ買収

米産金大手ニューモント・マイニングは14日、

カナダの競合ゴールドコープを買収すると発表した。

買収規模は100億ドル(約1兆800億円)。

合併後は世界最大の産金会社が誕生する。

  ニューモントは1株につき自社株0.3280株を支払う。

これは過去20日間のゴールドコープの株価加重平均を17%上回る。

ニューモントはまた、ゴールドコープ1株につき2セントも支払う計画だ。

新会社の金の産出量は年間約790万オンスに達する。

  合併後の新会社は今後2年間で最大15億ドル相当の資産を売却する計画だ。

ニューモントは買収による当初のコスト削減効果として、年間1億ドルを約束した。

24日のNY特急便

ニューヨーク市内がクリスマスムード一色に染まるなか、米株式市場だけは重苦しい雰囲気が立ちこめていた。

半日取引となった24日のダウ工業株30種平均は4営業日続落し、下げ幅は650ドルを超えた。

この日、市場参加者の間で話題になったのはムニューシン米財務長官のツイッター発言だった。

市場の動揺を抑えようとする同氏の行動が、かえって市場の不安をあおる悪循環に陥った。

「休暇シーズンで市場は機能不全だ」。

米インスティネットの株式トレーダー、フランク・カッペレリ氏は24日、顧客向けメモでこう記していた。

テクニカル指標の一部ではすでに「売られすぎ」のサインが点灯しており、経験則通りなら短期的な反発が期待できるが、24日までことごとく裏切られてきた。

カッペレリ氏は「今年の相場から何かを学ぶとすれば、過去のリターンは未来のパフォーマンスを予測できないということだ」と述べた。

24日の米株市場で「売り材料」とささやかれたのは、アジアの株式市場が開く前に飛び出したムニューシン財務長官のツイートだった。

米銀大手6行のトップと相次ぎ電話で会談し、市場の流動性について確認したという。

さらに米財務省は米連邦準備理事会(FRB)や米証券取引委員会(SEC)などの代表者と金融市場を巡る大統領作業部会(PWG)を24日に開くと公表した。

PWGは1987年の株価暴落後に発足した会議だ。

「なぜムニューシンは誰も不安を感じていない問題を確認したのか、市場は不思議に思っている」。

米ジョーンズトレーディングの上場投資信託(ETF)取引責任者、デイブ・ルッツ氏は市場の雰囲気をこう伝えてくれた。

トレーダー仲間たちとの会話では、株式市場の流動性や銀行システムの安定性が失われると心配する声はなかったという。

相場急落に直面してもウォール街はここまで冷静さを保っていた。

個人投資家の節税目的の売りやファンドの解約売り、ボラティリティー(相場変動率)の上昇による機械的な売り……。

売りたい投資家の多さに対して、買い手が圧倒的に少ない。

24日は日本とドイツが休場だったことに加え、米国は25日の休場を控えていた。

季節的な買い手不在の状況が、相場を実態以上に悪く見せているとの認識が一般的だ。

「ここで市場の安定性を強調するのは、混雑した映画館で『火事だ』と叫ぶようなもの」。

ダラス連銀の元アドバイザーでクイル・インテリジェンス創業者のダニエル・ディルマチノ氏はムニューシン発言についてツイッターでこう述べた。

市場がパニックを起こしていないにもかかわらず、米財務長官が流動性枯渇リスクを強く意識した行動をとり、市場の疑心暗鬼を生んだとの見方だ。

実際、24日は株売りの裏で安全資産とされる米国債が買われ、長期金利は低下した。

市場参加者はすでにクリスマス休暇明けの相場を見据えている。

需給面では株や債券を一定の組み入れ比率に従って運用する年金基金など大手機関投資家の大口買いが期待されていた。

株価急落で運用資産に占める株式比率が低下、基準値に戻すための買いが必要になるからだ。投資尺度の面では割安感も出ている。

ただ経済政策の司令塔である米財務長官が取り乱し始めたとすれば、真実がどうであれ、投資家はより用心深くならざるをえない。

21日のNY特急便

金融政策への過度な懸念はある程度和らいだのではないか。

「米連邦準備理事会(FRB)は市場の声を注意深く聞いている。

現時点の米経済見通しも今後見直すかもしれない」。

21日午前、米CNBCテレビに出演したニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁の発言が伝わると、ダウ工業株30種平均は400ドル高近くまで上げる場面があった。

FRBは19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で今年4回目の利上げを決め、強い米経済を念頭に来年も2回の利上げ見通しを示した。

これが「FRBはタカ派だ」との市場の懸念を招いたが、ウィリアムズ氏は「利上げを続けると約束したわけではない」と釈明。

FRBが進める資産圧縮についても「経済データをよく見て正しい判断をしたい」と述べ、柔軟に進める考えを強調した。

FOMC副議長も務めるウィリアムズ氏はFRBの実質的なナンバー2だ。そんな人物の発言とあって、市場では「グッドニュース。

今日だけでなく、来週の米株相場のラリーもありうる」(米金融サービス会社ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)と手放しで好感する声も聞かれた。

米金融政策への市場の警戒が行き過ぎていたのは確かだろう。

市場予想平均の19年の米実質国内総生産(GDP)伸び率は2.5%と、2%程度とされる潜在成長率を上回る。

来年前半は「昨年の所得税減税の影響で還付金が膨らみ、個人消費を押し上げる」(モルガン・スタンレーのエレン・ゼントナー氏)とみられ、景気減速が鮮明になるのは来年後半からとの見方が大勢だ。

高い経済成長、50年ぶりの低さにある失業率。

JPモルガン・チェースのマイケル・フェローリ氏は「現状では(経済を冷やしもふかしもしない)中立水準まで政策金利を戻しておきたいと考えるのは理にかなっている」と指摘する。

しかし、ウィリアムズ発言を受けた株価上昇は長続きせず、午後には下げに転じた。

引けにかけて一段安となり、ダウ平均の終値は414ドル安。

金融政策の暗雲が去っただけでは晴れ間は見えなかった。

投資家の本当の懸念は米企業業績にあるためだ。

この日はFANG(フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、グーグル)を中心にハイテク株が総崩れとなった。

米運用会社フォートピット・キャピタル・グループのキム・フォレスト氏は「世界景気の減速が逆風となり、広告収入や海外のサービス利用者数が伸び悩む懸念がある」と話す。

FANG株はPER(株価収益率)が高く、増収増益でも伸び率が鈍化しただけで売られてしまう。

「クリスマス休暇の前に持ち高を手じまう動きが出たのだろう」(フォレスト氏)という。

今月は記録的な株安になっている。

21日までのダウ平均の下げ幅は3093ドルと単月では過去最大で、2番目に大きいリーマン・ショック直後の08年10月(1525ドル)の2倍以上。

下落率は12.1%に達し、12月としては大恐慌時の1931年(17.0%)に次ぐ過去2番目の大きさだ。

1カ月後に始まる米企業の決算で数字を確認するまでは買いに動けない。

それどころか決算内容が一段の売りを招く恐れもある。市場には底なしの弱気が漂っている。

11日のNY特急便

11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落した。

朝方に米中貿易交渉への期待感から先物主導で一時370ドル近く上昇したあと午後にかけて下げに転じ、不安定な値動きが続いた。

最近では「底割れ」を防ぎたい押し目買いが生命線となっているが、本格反転のきっかけはなおつかめていない。

「久々に『上げ』らしい『上げ』がみられるのではないか」。

11日早朝、欧州株高を受けてダウ平均などの米株価指数先物が上昇しているのを知り、ニューヨークの証券会社の営業担当は安堵をみせていた。

中国商務省は米国時間の10日夜に米国のムニューシン財務長官やライトハイザー米通商代表部(USTR)代表と中国の劉鶴副首相が電話で協議したと発表した。

さらに米ブルームバーク通信は、中国政府が米国からの輸入自動車にかける関税の引き下げを検討していると報じた。

米国の要請に基づいて中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)幹部がカナダで逮捕されて以降、米中の対立激化への懸念が市場を揺らしてきた。

一連の動きは米中の対話の糸が切れていないことを示し、目先の反発を狙う筋には格好の買い場となった。

株価押し上げの好機とみたのか、トランプ米大統領も「参戦」した。

午前8時20分ごろ、わざわざツイッターに「中国との間で、とても生産的な対話が続いている! 重要な発表に注目せよ!」とつぶやき、先物相場を一段と押し上げる場面もあった。

ところが、この日の相場も一筋縄ではいかなかった。

午後にかけて下げに転じた理由の一つは、当のトランプ氏の動き。

民主党議会指導部との予算案を巡る協議で、テレビカメラの前でメキシコとの国境の壁建設を巡って激しく衝突。トランプ氏は「政府機関を閉鎖する」と繰り返し、政治の混乱への懸念を誘った。

トランプ氏が民主党との衝突を見越し、事前に株価に「のしりろ」をつくりたかったのか、単に自らの言動が株安の要因となることに無自覚なだけなのかは判然としない。

だが、市場がトランプ氏の通商・財政政策に振り回されていることは確かだ。

いまの米株価を支えているのは、「底割れ」を防ごうという投資家の意志かもしれない。

たとえば、機関投資家が注目するS&P500種株価指数。

10日は節目となる2600割れが一時的な現象にとどまったことで、ヘッジファンドなど短期の戻りを期待する買いが集まり、反発して終えた。

S&P500種は最近の下げで今年つけた取引時間中の安値(2月の2532と4月の2553)が視野に入っていた。

今年の最安値を下回る「底割れ」のリスクが迫っていたわけだ。

前日は一時2600の「防衛ライン」が破られ、2583まで下げたものの、そこからの反発が力強かった。

このところの「株離れ」でヘッジファンドはいったん身軽になっており、一部はこうした短期の反発狙いの買いに参戦しているもようだ。

11日も一時2621まで下げ、再び防衛ラインに接近したが、その場面では買いも増え、終値では前日比0.04%安の2636と大台を保った。

先行きは見通しにくい。「10月以降、3回にわたって2800の上値抵抗線に跳ね返されたあと、2600という重要な支持線を試されている」。

米調査会社ファンドストラットのストラテジスト、ロブ・スライマー氏は米株市場の現状をこう指摘する。

底値割れは防げるのか。

同氏は長期では米株に強気だが、第2次世界大戦後から続く4年ごとのサイクルに照らすと「2019年を通して不安定となる可能性を示唆する」という。

底値とみるのは、200日移動平均に近い2350。

ここから1割ほどの下落がありうることになる。

米資産運用大手のブラックロックの分析によると、18年のグローバル市場は株式と債券の運用収益がそろってマイナスで終わる可能性があるという。

1991年以降でみると、2015年以来、2度目の珍事だ。

低金利の時代が終わりつつあるなか、景気循環も後半に入った。

貿易摩擦や欧州の政治混乱などのリスク要因は山積しており、市場の不安定さは増している。

同社の投資研究所ストラテジスト、リチャード・ターニル氏らは「19年は株、債券ともにプラスの収益を生む可能性があるとみている」と予測するが、「リターンは弱いだろう」とやや慎重だ。

米景気が19年末までに後退するリスクは19%と低いため、米株にも強気を維持する。だが、累積的な後退リスクは20年末までに38%、21年末までに54%と積み上がっていく。

来年にかけての米株式市場はやはり先々のリスクを強く意識しながらの取引にならざるを得ないようだ。当面は「底割れ」回避を巡る厳しい攻防が続くかもしれない。

7日のNY特急便

米中の「一時休戦」で和らいだにみえた貿易摩擦への警戒感がぶり返している。

7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、週間の下落幅は1149ドルと前週の上昇分の9割を失った。

米中の貿易交渉を巡り、トランプ米政権の高官から正反対のメッセージが飛び出し米株式を手放す動きが再び強まった。

「単純に引き上げるだけだ」。

米CNNのインタビューに応じたナバロ大統領補佐官は90日間の猶予期間中に中国との貿易問題が解決しなかった場合の対応を問われ、2000億ドル分の中国製品の関税を直ちに引き上げる考えを示した。1日の首脳会談の関税引き上げ先送りを好感した株買いは急速に勢いを失った。

米CNBCに登場した米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長は「良好でしっかりとした動きがあれば」90日間の猶予期間を延長する考えを示していた。

市場はナバロ氏の強硬姿勢に反応し、キャタピラーやボーイング、インテルなど中国への収益依存度が高い銘柄を中心に売りが出た。

中国通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)幹部の逮捕が明らかになり、6日に一時800ドル近く下げたダウ平均が79ドル安まで下げ渋ったきっかけは米連邦準備理事会(FRB)の利上げ打ち止め観測だった。

7日も2019年の利上げ打ち止め観測が強まったが、貿易摩擦への警戒感が期待を打ち消した。

米労働省が発表した11月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数の前月比の増加幅が15万5000人と前月の23万7000人から減速し、市場予想も下回った。

物価の先行きを占う平均時給は前年同月比で3.1%伸び2カ月続けて3%台を維持したが、市場予想の3.2%には届かなかった。

やや弱めの内容だったが、市場では18~19日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げを妨げるほどではないとの見方が大勢だ。

一方、「雇用者増の減速と引き締まり気味の金融環境は19年の四半期ごとの利上げという見通しに有意な下振れリスクをもたらす」(ゴールドマン・サックスのヤン・ハチウス氏)と先行きの利上げペースが鈍るとの声が聞かれた。

シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が金利先物から算出する「フェドウオッチ」によると市場の12月利上げの織り込み度合いは75%前後と1カ月前からほぼ横ばいだった。

一方、19年12月までの織り込み度合いでは、「1年間据え置きまたは利下げ」が1カ月前の10%から46%程度まで急速に高まっている。

FRBのブレイナード理事は7日の講演で「追い風が衰えているにもかかわらず経済は良好な方向に向かっているが、ある種の逆流に直面するかもしれない」と指摘。

段階的な利上げを続けたことで「これまで進めてきた政策の効果を見極める十分な時間を得られた」と市場の見方を裏付けるような慎重姿勢を示した。

7日は長短金利ともに低下したが、株式市場で好感した動きは限られた。

EPFRグローバルによると5日までの1週間で米株式ファンドからは35億ドルの資金が流出し、15億ドルが米国債ファンドに流入した。

市場で広がっているのは「質への逃避」だ。

貿易摩擦への警戒がリスク回避を促す展開はしばらく続きそうだ。

6日のNY特急便

ジョージ・H・W・ブッシュ元米大統領の国葬に伴う休場明けの6日、米株式市場でダウ工業株30種平均は2営業日続落し、節目の2万5000ドルを割りこんだ。

5日に中国通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)幹部の逮捕が明らかになり、同社と取引が大きい半導体関連株が下落。

米中対立の激化懸念から中国事業の比率が高いボーイングやキャタピラーも売られた。

米司法省の要請を受けてカナダ当局がファーウェイの孟晩舟・最高財務責任者(CFO)を逮捕したのは今月1日。

アルゼンチンで米中首脳会談が開かれたのと同じ日だ。

首脳会談ではトランプ米大統領は習近平(シー・ジンピン)国家主席を「習氏との関係は素晴らしい」と持ち上げたが、融和ムードは数日しか続かなかった。

トランプ氏はワシントンに戻るなり、「私は関税マンだ」(4日のツイッター)と中国へのけん制を再開した。

続いて明らかになったファーウェイ幹部の逮捕は、ウォール街に少しだけ残っていた楽観論を吹き飛ばした。

米証券アナリストは「米中協議がこれから本格化しようとするなかで、最悪のタイミングだ」と話す。中国でもネットなどで米政権への国民の批判が強まっている。

ファーウェイ幹部の逮捕容疑は米国によるイラン制裁への違反。

米商務省が4月に米国企業との取引禁止を命じた中国通信機器2位の中興通訊(ZTE)と同じだ。

ノースランドキャピタルマーケッツのティム・サバジョー氏は「ファーウェイは売上高規模や中国政府とのパイプでZTEと格が違う。

同様の取引禁止命令が出た場合、米半導体産業への影響は比べものにならない」と指摘する。

ファーウェイの売上高はZTEの5倍、米国からの半導体輸入額は6倍だ。

同社への半導体販売が年間18億ドル(約2000億円)にのぼるクアルコムの株価は一時3%強下落。

半導体製造装置の主要サプライヤーであるアプライド・マテリアルズ株は終値で2%下げた。

代表的な中国銘柄とされるボーイングの株価は3%安とダウ平均の構成株で最もきつい下げ幅となった。

同社のデニス・ミューレンバーグ最高経営責任者(CEO)は6日、米CNBCテレビに出演し「米中両国が通商問題を解決し、前向きな合意に至ることを望む」と訴えた。

この日はエクソンモービルやシェブロンなどエネルギー株も値を崩した。

米中首脳会談では中国側が米国の農産品やエネルギー資源を大量に購入する意向を示した。

ファーウェイ幹部逮捕によって中国政府の態度が硬化すれば、エネルギー輸出の拡大により貿易不均衡の是正をめざす米政権のプランは崩れる。

強引な要求をぶつけ、相手から最大の譲歩を引き出すのがトランプ大統領の交渉術だ。

不動産ビジネスを手掛けていた1980年代に出版した自伝には「強硬な態度をとればそれなりの効果があるものだ」と書いた。

巨大経済圏構想「一帯一路」を掲げグローバルの覇権をめざす習氏にトランプ氏の得意戦術が通用するかは疑問だ。

同氏の強硬外交はむしろ、自国の製造業やエネルギー産業を揺さぶっているように見える。

3日のNY特急便

米国株の12月相場は好スタートを切った。

米中貿易戦争の「一時休戦」を好感し、3日のダウ工業株30種平均は上げ幅が一時、前日比400ドルを超えた。

ところが市場の声に耳を傾けると、楽観ムード一色とは言いがたい。

一部の参加者がこの日、首をかしげたのは米長期金利の動きだ。

大幅な株高にもかかわらず、心理的な節目の3%を一時下回った。

株式市場と債券市場の間に見られた「温度差」は何を意味するのか。

「『一時休戦』は先週末までに織り込み済みだった」。

米ジョーンズトレーディングの上場投資信託(ETF)取引責任者、デイブ・ルッツ氏に3日の市場の雰囲気を尋ねるとそっけない答えが返ってきた。

ダウ平均が400ドルを超える上げ幅を見せたのは午前9時台まで。

「米中決裂」というリスクシナリオに備えて一部投資家が事前に先物を売っていたとみられ、その買い戻しが一巡すると上げ幅は徐々に縮まった。

機関投資家が重視するS&P500種株価指数は先週、過去6年で最も高い上昇率を見せていた。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の講演が「利上げの早期打ち止め」観測を生んだほか、米中首脳会談についても、政府高官の楽観発言や事前報道を通じて、「何らかの合意に達する」といった見通しが市場参加者の間で共有されていたからだ。

一部の投資家が早めの利益確定に動いたことが、上げ幅を縮めた一因とみられる。

米中休戦に対するウォール街のエコノミストの反応をみると、慎重な見方が多い。

米国は予定していた追加関税引き上げを延期し、米中は問題解決に向けた協議を続けることで合意した。

米ゴールドマン・サックスは「落としどころを見つけるのは容易ではない」と指摘。

90日間の猶予期間内に関税撤廃を含む包括的な合意が成立する可能性は「20%程度」と冷ややかだ。

株式投資家が強気になりきれないのは、こうした慎重な見方に加え、米債券市場が3日に発したシグナルについて、解釈に戸惑ったからだ。

長期金利の指標である10年債利回りはこの日、心理的な節目の3%を再び下回った。

米メディアによると、2年債と10年債の利回り差は07年以来の大きさに縮小。

長短金利差の逆転は「景気後退のサイン」と言われるだけに、ある株式トレーダーは「我々とは違う景色を見ているようだ」と漏らした。

「投資家は『安全資産への逃避』を進めている」。

米保険会社プルデンシャル・ファイナンシャルのストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は金利低下の背景をこう分析する。

米中休戦「破談」の可能性に加え「英国の欧州連合(EU)離脱やフランスの政情不安など不透明要因が多すぎる」(クロスビー氏)。

11月の米製造業景況感指数は市場予想を上回り、本来であれば金利上昇圧力になるが、3日は先行き不安が勝ったようだ。

株式市場と債券市場の反応に「温度差」が生じるのは珍しいことではない。

一般的に債券投資家は先行きをより慎重にみる傾向がある。

短期的には金利低下が株高を支える場面もあるだろう。ただ、債券市場が景気減速を織り込み始めたとすれば、株高の持続性に疑問符が付く。

1日の動きだけで今後の相場展開を見極めるのは難しいが、年末ラリー実現へのハードルは依然として高いと言わざるをえない。

30日のNY特急便

30日の米株式相場は12月1日の米中首脳会談をにらんだ動きに終始した。

午後にロイター通信が「貿易問題で双方の合意が進んでいる」との中国高官の発言を伝えると、ダウ工業株30平均の上げ幅は200ドルを超える場面があった。

世界景気の減速懸念が強まり、投資家は調整リスクに身構える。

けん引役だったハイテク株も息切れが目立つ。

そんな米株市場で今週、気を吐いた大型ハイテク株がアマゾン・ドット・コム、セールスフォース・ドットコム、アドビシステムズだ。

いずれも週間の上昇率は10%を超えた。

3社ともクラウド事業を成長の柱に据える。

将来性に改めて関心が集まり、にわかにテーマ化した。

きっかけはセールスフォースが27日に発表した18年8~10月期決算だ。

売上高は前年同期比26%増の33億9200万ドル(約3850億円)と、市場予想の33億6000万ドルを上回った。

何より好感されたのが同時に示した来期の売上高予想。


来期も20%強の高い増収率が続くという。

マーク・ベニオフ最高経営責任者は「会社の歴史上、今が最も強い」と胸を張った。

同社はクラウドを通じ、企業に顧客管理などの営業支援ソフトを提供する。

顧客企業は15万社を超え、売上高は過去10年で10倍強に膨らんだ。

クラウド事業は一度契約すると継続して課金ができ、事業の安定性が高い。

セールスフォースは売上高の9割超を継続課金型のサービスが占める。

アドビシステムズはクラウドを通じて画像処理などのコンテンツ制作ツールを供給する。

セールスフォースの好決算を受け、今週は連想買いが入った。

そのクラウド市場で世界シェア40%と断トツなのがアマゾンだ。

同社は今週、クラウド事業の顧客向けに開いた年次総会で、ネット通販で培った商品の推薦システムを外販すると発表、出席者をあっと言わせた。

虎の子の中核技術だったが、外販して課金収入を得る戦略に切り替えた。

同社は割安な料金設定を強みにオラクルなど旧勢力から顧客を奪ってきた。

今後もクラウド上のサービスを拡充し、リードを広げる考えだ。

米証券ジェフリーズのブレント・シル氏は、アマゾンのクラウド事業の売り上げは22年12月期に710億ドルと今期予想の3倍近くに膨らむとみる。

波乱含みが予想される来年の米株相場。

その中で有望な業種は何か。

ゴールドマン・サックスのデービッド・コスティン氏は通信、公共事業といったディフェンシブ銘柄に加え、あえて「IT(情報技術)」を挙げる。

クラウド事業のように「継続的に収入を得る事業モデルにシフトしており、マクロ景気への感応度が低下している」という。

景気減速に強い銘柄が増えているというわけだ。

モルガン・スタンレーは29日、「長期成長が期待できる米株」と題して25銘柄を挙げた。

そこでもハイテク株がずらりと並ぶ。

グーグルの持ち株会社アルファベットと動画配信のネットフリックスに加え、アマゾン、セールスフォース、アドビの3社も含まれる。

大型ハイテク株なら何でも上げる時代は終わりを告げたのは確かだ。

今後は選別眼が問われるとはいえ、ハイテク株の投資妙味までは失われていない。

29日のNY特急便

29日の米ダウ工業株30種平均は4日ぶりに小反落した。

前日に米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の発言で急伸しただけに反動が出たほか、米中貿易交渉への警戒感も売りを誘った。

だが午後に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表されると上げに転じる場面もあった。

来年以降の利上げ減速を示唆したと受け止めたからだ。

「市場に優しいFRB」というイメージが支える相場に死角はないか。

11月会合の議事要旨では、ほぼ全員のメンバーが「かなり早い」時期の利上げを支持し、12月会合での実施を「予告」した。

一方、複数が来年以降の経路に「不確実性がある」と述べ、何人かは政策金利が「(景気をふかしも冷やしもしない)中立金利に近い」とし、「さらなる利上げは景気活動を過度に減速させ、インフレに下方圧力を加える」との見解を示した。

パウエル氏は前日の講演で政策金利が中立金利の推計値を「わずかに下回る」と指摘し、10月初旬に「なお距離がある」とした発言を修正した。

議事要旨では、そうした姿勢がメンバーの間でそれなりに広がりをみせ、来年以降の利上げペースは「データ次第で柔軟に判断しよう」というパウエル氏の「哲学」が浸透していることがうかがえる。

9月時点の政策金利見通しによると、メンバー予測の中央値でみた来年の利上げ回数は3回(18年中の追加実施が前提)。

12月の次回予測で2回以下へと減速するとの思惑も出ている。

金利先物市場が織り込んだ来年中の利上げ回数は11月初めには2回強だったが、FRBの「ハト派化」や景気の減速観測を映して低下し、ここに来て1.3回前後と「年1回説」に傾いてきた。

米長期金利は29日未明に一時3%台を割り込むなど、金利高が景気を冷やす要素は衰えつつある。

金利の上昇一服は、株価の調整とあわせて投資マネーが集中してきたハイテク株を中心に株価の割高感を和らげる。

米中の貿易交渉の行方次第という面も強いが、「市場に優しいFRB」が年末ラリーを演出するという期待も残る。

だが、FRB頼みの構図には限界もみえる。

パウエル氏が10月初旬に「中立金利への距離はまだある」と発言したことが10月の株価急落の一因とされてきた。

FRBに近い市場関係者は「FRBは失言だと認め、軌道修正を図った」と読む。

ただし、発言全体は「利上げは早すぎても遅すぎてもいけない」というデータ次第の姿勢を貫いており、今もこの姿勢は同じだ。

現時点で利上げ路線そのものを放棄したわけではない。

では今後、実際にFRBが利上げペースの減速を見込むようになれば、一段の株高が期待できるのだろうか。

これは景気減速を示すデータが増え、FRBが先行きの景気見通しを下方修正することを意味する。

企業収益が減速する可能性が高まるなかで「優しいFRB」だけに頼って株高が続くシナリオには疑問符がつく。

適温相場とは「強い企業収益」と「優しいFRB」のセットだからだ。

モルガン・スタンレーは今週公表した来年の市場見通しで、新興国株の投資判断を市場平均よりも少なく持つ「アンダーウエート」から多く持つ「オーバーウエート」に格上げし、逆に米国を「アンダーウエート」に引き下げた。

ストラテジストのアンドリュー・シーツ氏は、世界的にみて経済成長率が鈍るなか「米国と米国外の成長格差が縮小する」とみる。

FRBの来年の利上げは2回にとどまると読むが、インフレの傾向は続くなか、秋口まで引き締め路線自体は維持すると見込む。

「予想を上回る成長は、単なるFRBの一段の引き締めを意味する。

予想を下回る成長は、政策のサポートが限られそうななか、減速リスクを高める」。到来するのは、こんな悩ましい状況だ。

現在は「優しいFRB」にみえても、引き締め路線を捨てたわけではない。

もしFRBが本当に優しくなったら、米景気の減速リスクに直面する。やはりFRBに頼った株高シナリオは危うい。

28日のNY特急便

28日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸した。終値は前日比617ドル高い2万5366ドル。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が同日の講演で、現在の政策金利の水準が中立金利に近いと言及。

市場では「利上げの打ち止めが近い」との思惑が広がり、上げ幅は約8カ月ぶりの大きさとなった。

ダウ平均をはじめ米国の主要株価指数が大幅上昇するなか、28日の市場で逆行安を演じたのが宝飾品のティファニーだ。

同日朝に発表した2018年8~10月期決算で、既存店売上高が前年同期比3%増にとどまった。

市場予想の5.6%増を大きく下回る水準で、ティファニー株は12%安と急落した。

昨年10月にアレッサンドロ・ボリオーロ氏が最高経営責任者(CEO)に就任してから、業績が力強く回復していたはずの同社に何が起きたのか。

同氏は28日のアナリスト向け決算説明会見で「米国と香港、さらに韓国の免税店における中国人観光客向けの販売が落ち込んだ」と話した。

中国人による「爆買い」減速には、中国の経済成長自体の鈍化も影響しているが、直接的には10月初めにネット上で拡散された写真がきっかけとされる。

中国・上海の空港で撮られた写真は、空になったバッグや税関検査の長蛇の列を映したもの。

全世界に散った中国人旅行者の間で、税関当局が帰国時の審査を免税範囲を超える持ち込みを厳しく取り締まっているとの噂が急速に広がった。

爆買いの衰えに言及した高級ブランドは、ティファニーが初めてではない。

10月10日には、仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンのジャン・ジャック・ギオニー最高財務責任者(CFO)が「中国当局は一段と厳格に法を執行している。

それが現在起きていることだ」との見方を示した。

この時も、パリ株式市場でLVMH株が一時8%超下落。

ティファニーや日本の資生堂など、中国人に人気の高い他のブランド株にも売りが波及した。

米コンサルのベイン・アンド・カンパニーは、高級ブランドの売上高のうち中国人が担う割合が現在の32%から2025年には46%にまで上昇するとみる。

中国市場が高級ブランドにとってどれだけ重要かは、つい最近のイタリアの「ドルチェ・ガッバーナ(D&G)」騒動でも明らかだ。

モデルが箸で不器用にピザを食べるD&Gの広告動画に、中国人を侮辱しているとの批判が高まって不買運動が広がった。

23日には創業者のデザイナー2人が中国語で「対不起(すみませんでした)」と謝る動画公開に追い込まれた。

一方、ティファニーの売上高の4割を占めるお膝元の米国消費は強い。ベインの調査では、高級ブランドでは中国人の次に米国人が購買力を持つ。

ボリオーロCEOは米株式市場の調整などの環境変化があっても「米国人の消費には衰えが見えない」と強気だ。

8~10月期の純利益は5%減ったが、販促費や店舗改装、ネット通販関連の費用がかさんだのが大きい。

クリスマスはティファニーにとって勝負の時。

12月単月の売り上げは、他の四半期の合計をしのぐ水準だ。

ボリオーロCEOは28日、「やるべきことは全てやった。

結果は目前に迫った4週間で分かる」と語った。

中国絡みの不透明感を取っ払うだけの結果を残すことができるか。

27日のNY特急便

27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸した。

朝方は米中貿易戦争が激しくなるとの懸念から売りが先行。

その後は景気変動の影響を受けにくい生活必需品や公益セクターへの買いが相場を押し上げた。

「目先は戻り局面が続く」との期待は強く、市場から資金が逃避する状況にはなっていないが、方向感に欠ける展開に終始した。

市場の雰囲気を重たくしたのが、アップルのさえない値動きだ。

主力の「iPhone」が高関税の対象になるとの思惑が改めて浮上。

ファクトセットのデータから計算すると、午後には時価総額がマイクロソフトに抜かれる場面があった。

終値ではかろうじてマイクロソフトを上回ったものの、2013年にエクソンモービルを上回って以降、守ってきた時価総額の首位の座はぐらついている。

アップルへの売りを膨らませたのが、前日夕の米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)によるトランプ米大統領のインタビュー報道だ。

今週末にも開く米中首脳会談で進展がなければ、残りの輸入品すべてを対象にする第4弾の対中制裁関税を発動する考えを改めて表明。

その際、中国で組み立てているアップルのiPhoneやコンピューターが対象になり得るとの認識を示した。

「サプライチェーン(供給網)の恨み言に続き、需要面で新たな懸念材料を生み出した」。ロバートWベアードのアナリスト、ウィリアム・パワー氏はこう指摘する。

このところiPhoneの部品供給業者がアップルからとみられる減産要請を次々と明かし、アップル株は急落。

11月中旬には10月の高値からの下落率が2割に到達し、「弱気相場」入りしたまま、その後も浮揚のきっかけをつかめずにいる。

アップルから供給業者への発注はアップルの在庫戦略にも左右され、最終製品の売れ行きとは完全には一致しない。

パワー氏は「サプライチェーンの悲観的なコメントはよくある『眉唾モノ』」と断じる。

一方、高関税によって価格が高くなると話は別だという。

「需要や収益性に一定の負の影響を与えるのは、ほぼ疑問の余地がない」
UBSのアナリスト、ティモシー・アークリ氏はトランプ氏の発言について「交渉上の戦略のようにも思える」との見方を示す。

一つ考えられるのは、米中首脳会談を控え、中国に対してアップル製品への高関税もいとわないという一歩も引かない姿勢をみせる戦略だ。

もう一つ、ゼネラル・モーターズ(GM)の工場停止問題がわき起こったタイミングだけに、アップル側にサプライチェーンの米国移管を促す意図を読み取ることも可能だ。

ウォール紙の報道でも、トランプ氏の周辺は最終的にはiPhoneが制裁関税の対象から除外される可能性があると示唆しているという。

消費者の猛反発が予想されるためだ。

それでも、アークリ氏は「この政権がこうした行動を喜んで進めるのは実証済みだ」とも指摘し、第4弾の対象品目に入る可能性は排除できないとみている。

もし対象になれば、アップルの収益にどれくらいの打撃が及ぶのか。

アークリ氏は販売価格には転嫁せず、自社で吸収せざるを得ないと見込む。

トランプ氏が言及したように関税率を10%とした場合、19年9月期の営業利益を最大15億ドル(約1700億円)押し下げる。

25%なら最大38億ドルに拡大する。18年9月期の最終利益は595億ドル。

利益が消し飛ぶわけではないが、無視はできない規模だ。

アップル株はこのまま時価総額の首位の座から遠ざかるのか。

収益力の高さからみて、今の株価は売られすぎとの見方も多い。

ファクトセットによると、アナリストのアップル株の目標は平均で232ドル強と実際よりも50ドル高い。

ロバートWベアードのパワー氏は「短期のリスクは認識するが、長期では依然ポジティブ」と、下がったタイミングは買いの好機だと唱える。

アップル株の浮沈は、米中貿易戦争や中国を含む世界経済の今後の推移に大きく左右される。

マイクロソフトに首位の座を明け渡すようなら、米株式市場にとって明るい未来を指し示す現象とは言えないだろう。

26日のNY特急便

米株市場では底入れ期待が高まってきた。

26日のダウ工業株30種平均は5営業ぶりに反発。

上げ幅は300ドルを超え、11月上旬以来の大きさとなった。

今週最大のイベントは20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて開催予定の米中首脳会談。

世界の関心はトランプ米大統領の一挙手一投足に集まりそうだが、金融市場はもう1人の重要人物にも照準を当てている。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長だ。

「パウエル議長は外野の議論を鎮めることもできるし、勢いづかせることもできる」。

米ジョーンズトレーディングの上場投資信託(ETF)取引責任者、デイブ・ルッツ氏は26日、朝方に送った顧客向けメモでこう記していた。

ルッツ氏が今週の注目イベントとして米中首脳会談のほかに、FRB高官による講演をとりあげた。

クラリダ副議長は27日、パウエル議長は28日にそれぞれ公の場に登場予定だ。

ルッツ氏が指摘するようにFRBの「外」では利上げ速度を巡って、市場関係者が騒ぎはじめた。

12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げ決定はほぼ確実と見られてきたが、ここにきて怪しくなってきたとの指摘が出てきた。

19年の利上げ回数もFOMC出席メンバーの中心シナリオは3回だが、前倒しで打ち止めになるとの見方も増えている。

議論が騒がしくなるきっかけを作ったのはパウエル議長だった。

14日の講演で足元の米経済に自信を示す一方、19年のリスクとして海外の成長鈍化や、米財政押し上げ効果の減退を挙げた。

クラリダ副議長も世界景気に減速の兆候があるとした上で、金融政策の判断で考慮に入れる必要があると発言した。

市場は一連の発言について、FRBが利上げに慎重な「ハト派」に傾いたと解釈。

米長期金利は23日、9月下旬以来の低さまで下がった。

インフレ鈍化観測も、利上げ打ち止め議論に拍車をかけている。

FRBが政策判断で重視する「コアPCEデフレーター」は29日に10月分が公表になる。

米調査会社ファクトセットによると市場予想の平均は1.9%で、FRBの2%物価目標を下回る。

米シティグループのエコノミストは住宅市場の減速などを背景に「19年前半もインフレ圧力が高まる明白な理由はない」と指摘。

19年の利上げは3月、6月の2回で打ち止めとみる。

FRBのハト派化予想には市場の願望も含まれているかもしれない。

10月から始まった株式相場の調整は当時、パウエル議長らFRB高官の発言が利上げに積極的な「タカ派」的と解釈されたことが一因とされる。

米投資会社ブラックストーンのジョセフ・ザイダル氏も「『もはや金融政策が株式相場を支えることはない』と市場が認識した」と指摘する。

株安要因を作ったのがパウエル議長なら、取り除けるのも議長自身というわけだ。

機関投資家が重視するS&P500種株価指数は10月からの下落率が約10%に達していた。

このペースが続けば第4四半期(10~12月)としてはリーマン・ショックの起きた08年以来の悪い運用成績となる。

FRBの「ハト派化」待望論が出てくるゆえんだ。

FRBの金融緩和策が株式市場をどん底から救ったが、危機から10年が過ぎてもなお、市場は「FRB依存症」から抜け出せていないようにみえる。

23日のNY特急便

消費者にとってうれしい「値下げ」が米株式市場を揺さぶっている。

感謝祭の祝日開けの23日、午後1時までの短縮取引でダウ工業株30種平均は4日続落し、週間の下落幅は1127ドルと3月下旬以来ほぼ8カ月ぶりの大きさになった。

投資家心理を冷やしたのは2つの値下げのニュースだ。

「早ければ来週にも日本でiPhone『XR』の価格を引き下げる」。

米ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)が22日、主力であるiPhoneの量産モデルの値引きを計画していると報じるとアップル株に売りが広がった。

株価は4日続落し、5月初旬以来の安値を付けた。

XRは9月に先行発売された「XS」に比べやや価格が安く、2019年にかけて販売をけん引すると見込まれていた。

音楽や動画配信事業などサービス事業を強化し、iPhone販売以外に収益を多様化させているアップルだが、iPhoneの販売が鈍ればサービス事業も減速しかねないとの警戒感は根強い。

スマートフォン市場の飽和や中国勢との競争激化によってiPhoneの販売が鈍化しているとの観測は強まる一方だ。

iPhone向けに電子部品を供給する企業による業績の下方修正や生産を委託する企業への発注を減らしたとの報道も相次ぎ、アップル株の下落に歯止めがかからない。

もう一つの値下がりは原油価格だ。23日は指標となるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近物が祝日前に比べ8%近く急落。

一時は1バレル50ドル近辺と、2017年10月以来の安値を付けた。

トランプ米大統領がサウジアラビアに原油価格の抑制圧力をかけているのを受け「投資家が一段安を見込んでいる」(金融仲介会社IGのクリス・ボーチャンプ氏)との指摘は多い。

原油安はガソリン価格の低下を通じて個人消費を押し上げる面があるが、エネルギー関連銘柄の比率が相対的に高い米株式市場にとっては逆風が大きい。

採算悪化に対する警戒感からシェブロンとエクソンモービルが大幅に下落。アップルを加えた3銘柄でダウ平均を71ドルあまり押し下げた。

この日は年末商戦の前半のヤマ場、小売店の年間収支が黒字になる日として「ブラックフライデー」と呼ばれる。

調査会社アドビ・アナリティクスによると、感謝祭当日のネット通販売上高は37億ドルと前年比28%の大幅増だった。

11~12月の小売売上高は4~5%の増加が見込まれている。

好調な出だしになったが、小売株で上げたのはウォルマートやコストコ・ホールセールなど一部にとどまる。

ネット通販の巨人、アマゾン・ドット・コムは1%安と振るわなかった。

26日から始める「サイバーマンデー」は玩具などを30~50%値下げする方針。

一方で人件費や運送費などのコストは上昇しており、採算悪化懸念がつきまとう。

オアンダ証券のクレイグ・エルラム氏は「大幅に値下がりした株式を抱えた投資家は疲弊している」と指摘する。

全米個人投資家協会の週間調査では21日時点で今後6カ月の相場に「強気」との回答から「弱気」との回答を差し引いた値はマイナス21.8%で16年2月以来の水準に沈んだ。

悪い意味での値下げが金融・資本市場を覆いつつある。

21日のNY特急便

モヤモヤする展開の続く米国株式市場に、ようやく一筋の光明が差し込んだ。

21日のダウ工業株30種平均は上げ幅が一時、200ドルを超え、終値でも何とか横ばい圏で踏みとどまった。

「感謝祭」の祝日前に市場参加者の心を癒やしたのは米アップル株だ。

この日の終値は前日比ほぼ横ばいの0.1%安。

勢いは全く感じられないが、今後の相場展開に淡い期待を抱かせる値動きを見せていた。

「悪材料がすべて織り込まれた可能性がある」。

米ジョーンズトレーディングの上場投資信託(ETF)取引責任者、デイブ・ルッツ氏は21日朝方、米アップル株についてこんな見方を披露していた。

iPhone(アイフォーン)の販売不振観測で、株価は前日までに直近高値からの下落率が2割を超え、いわゆる「弱気相場」に入っていた。

強気に転換する材料は特に出ていなかったが、ルッツ氏は時間外取引の値動きに注目していた。

アップル主要取引先の鴻海精密工業がコスト圧縮へ――。米メディアが早朝にこんなニュースを流すと、アップル株は時間外で突如、値を消し、一時マイナス圏に突入した。

鴻海はiPhoneの受託生産大手として知られ、人員削減によるコスト圧縮は「販売不振」観測を裏付ける材料とみられた。

ずるずると下げ幅を広げるとみられた矢先、アップル株はすぐに値を戻したのだ。

一部の市場参加者は底入れのサインと感じ取った。

相場の先行きを強気にみる市場参加者は、10月から始まったハイテク株主導の相場下落を「買われすぎの反動」とみている。

世界経済見通しの下方修正や、米連邦準備理事会(FRB)の利上げに前向きな姿勢を受けて、一部の投資家は持ち高の調整を迫られ、株式の保有を一斉に落とした。

運用難のヘッジファンドもプラスのリターンを確保するために、早めの手じまいを迫られた。

ハイテク株は成長期待が高く多くの投資家に買われていただけに、その反動も大きい。

米企業の業績は依然として好調で「投げ売り」が終われば相場は回復に向かう――。

強気派からはこんな話がよく聞かれる。

アップル株は「投げ売り」が終わったか否かを判断するのに最適な銘柄と言える。

時価総額は米企業最大で、多くの投資家が何らかの形で保有する。

ヘッジファンドの買いが多いことでも知られる。

ゴールドマン・サックスが9月末時点の主要ファンドの株式保有状況を調べたところ、アップル株の保有総額は9240億ドル。

27ファンドで保有上位10銘柄に入る。

「すべての投資家がアップル株の底入れ時期に注目している」(米プルデンシャル・ファイナンシャルのクインシー・クロスビー氏)と言われるゆえんだ。

11月半ば以降、iPhone向け部品を納める企業が立て続けに業績予想の下方修正を発表。

販売不振観測からアップル株が下落し、半導体など他のハイテク株に株安が波及する悪い流れが続いた。

20日に5%安を記録したのは、米証券会社が目標株価を引き下げたことがきっかけだ。

一方、21日のアップル株は悪材料に耐え、他のハイテク株にも株安は連鎖しなかった。

祝日前で市場参加者が少ない中での値動きだけに「底入れ判断」は時期尚早に思えるが、市場にとって久しぶりの好材料だったことだけは間違いない。

20日のNY特急便

20日のニューヨーク株式相場は大幅続落。

不安定な金融市場が世界経済の一段の減速につながるとの不安感が投資家の間に強まり、相場の下げを速めた。

ダウ工業株30種平均は前日比551ドル安で終わった。

市場では企業業績の先行き懸念が強まる中、カルロス・ゴーン会長が逮捕された日産自動車をはじめとする世界の自動車業界への不透明感も投資家心理にはマイナスとなった。

米調査会社データトレック・リサーチの共同創業者ニコラス・コラス氏は「世界の自動車業界は、長期的な問題に対処するための、理にかなった先見の明のある経営者がますます不足している」と指摘。

その上で、「ゴーン氏は数少ない先見の明のある経営者だった」とみる。

その自動車業界については「来るべき景気後退時の自動車需要の低下と生産過剰状態を踏まえれば、最も問題の多い業界として投資対象としては控えるべきだ」と投資家にアドバイスする。

ゴーン氏が退場した後の日産がこの不祥事をどう乗り越えるかについて貴重なヒントを与える過去の出来事がある。

2002年に会社資金の不正流用で、詐欺、横領などの罪で起訴された米複合企業タイコ・インターナショナル(2016年ジョンソン・コントロールズと合併)の元会長兼最高経営責任者(CEO)、デニス・コズロウスキ氏を取り巻く一連の不祥事だ。

同氏は、マサチューセッツ州で1960年に創業した小さな電子関連研究所だった会社を巨大グローバル企業にした立役者だ。

75年に入社し、92年にCEOに就任して以降、医療用具から電子部品、警備保障サービスなど1000社近い会社を買収して事業を広げ、カリスマ経営者として社内だけでなく、実業界や株式投資家にも一目おかれる存在だった。

タイコの社運が坂道を転がり始めたのは2002年初めからだ。コズロウスキ氏が1億5000万ドル(約170億円)もの会社資金を不正流用していたことが明るみに出たからだ。

ニューヨークのマンションや、フロリダ、ニューイングランドの別荘購入に会社資金を無断で使ったり高額の美術品を購入したりした。

当時のメディアでは60万円もするシャワーカーテンや妻の誕生日にイタリアのサルディーニャ島で2億円をかけたパーティーにも会社資金を使ったことが話題になった。

同時にコズロウスキ氏が他の取締役に黙って、社外取締役や法務部門のトップに特別ボーナスを支給するなど、経営の私物化も明るみに出た。

同氏の暴走を抑止するはずの取締役会が機能しなかったのは、CEO自身が取締役に様々な便宜を供与していたからだ。

05年に最大で禁錮25年の有罪判決を受けたコズロウスキ氏は14年に仮釈放を受けて今では地味に暮らしているといわれる。

一方でタイコはカリスマ経営者なき後、モトローラの最高執行責任者(COO)エドワード・ブリーン氏をCEOに迎え、企業統治改革に着手した。

同氏が最初に実行したのが、経営トップの暴走を見て見ぬふりをしていた取締役全員の退任だ。

同時に300人の上級幹部のうち290人を数カ月で解雇した。

さらに取締役会専属の監査部隊110人を配置し、あらゆる経営情報を新しい取締役に直接提供する仕組みをつくった。

ブリーン氏がCEOに就任した02年当時、市場では同氏もタイコの経営も長続きすると思う人は少なかった。

しかし、徹底的な企業統治改革でタイコの経営は安定し同氏は12年に10年間務めたCEO職を退いた。

同氏が企業統治改革に加え力を入れたのがリーダーの育成だったという。

「我々のチームから5人のCEOが誕生し、スピンオフした会社のトップになった」と米メディアに誇らしげに語っている。

米企業のCEOは日本や欧州の企業に比べその権限は強大だ。

その意味で日産はグローバル化していたが、同時にその強大な権限を監視する風通しのいいシステムを構築していなかったという点で「負のグローバル化」が先行していたようだ。

今後日産は企業統治改革と同時に新たなリーダーの育成を進める必要があろう。

タイコとコズロウスキ氏の不祥事、その後の企業改革の成果は、世界のどこの大企業も直面する可能性のある問題に貴重な教訓を与えてくれる。

19日のNY特急便

19日の米国株式市場は再びもろさを露呈した。

ダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落。

下げ幅は一時500ドル超となり、15、16日の上昇分(2日間で計332ドル)

があっという間に帳消しになった。

市場でこの日話題になったのは、悪材料が出ていない好業績銘柄が

そろって10%前後の急落を見せたことだ。

うっすらと浮かび上がってきたのは、弱気相場入りを恐れる投資家の姿だ。

「5つの指標から読み取れるメッセージは、市場はまだ脆弱ということだ」。

米インスティネットの株式トレーダー、フランク・カッペレリ氏は

19日朝の顧客向けメモで警戒を促していた。

米連邦準備理事会(FRB)関係者から「利上げに慎重」とも読み取れる

発言が出たり、米中貿易交渉の進展が見えたりしたことから、

相場の底入れを期待する向きもあった。

カッペレリ氏はVIX指数の動きなどを基に、底入れ判断は早いとの立場をとっており、

この日の値動きは同氏の読み通りとなった。

19日の相場の雰囲気を象徴したのは決済サービス大手の米スクエア株だ。

売られる理由は見当たらなかったが、終値で11%安まで下げた。

顧客管理ソフト大手の米セールスフォース株は同9%安、

画像処理ソフト大手の米アドビ株も同8%安まで売られた。

悪材料が出たアップル株(同4%安)よりもきつい売られ方だ。

3つの銘柄に共通するのは、好業績を背景に過去2年間、

ほぼ一本調子で株価が上昇していたこと。

業績の良しあしとは無関係に売られる様子からは、益だし目的で売り急ぐ

投資家の姿が見え隠れする。

「マクロ系ファンドは年末にかけて、リスクオン(強気)のポジションを完全に閉じるだろう」。

米ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルのストラテジスト、

チャーリー・マケリゴット氏はこう予想する。

株高期待が後退するなか、プラスの運用リターンを死守するために、

株式などリスク資産の現金化を急ぐとみているからだ。

特に11月から年末にかけて決算を迎えるファンドは運用成績次第で、

顧客から解約通知を突きつけられる。含み益の残る銘柄は格好の利益確定対象となる。

継続的に株価が下がる「弱気相場」入りを指摘するコメントも増えてきた。

米モルガン・スタンレーのストラテジスト、マイケル・ウィルソン氏によると、

18年の米株市場は株価が安値をつけたところで買い、値上がりを待つ

「押し目買い」戦略が全く機能していない。

1982年や90年、00年、02年の弱気相場で見られた現象だという。

弱気相場入りが意識されるほど、投資家は早めの利益確定や、

これ以上の損失を避ける行動に出やすくなる。

一般的な定義では直近高値から2割以上下落した場合、

株価が継続的に上がる「強気相場」が断たれたことになる。

S&P500種株価指数は8月下旬に強気相場の日数が史上最長記録を更新した。

足元の指数は直近高値(9月20日)から8%低い水準で、

厳密にはまだ弱気相場に入っていない。

22日の感謝祭前後は休暇をとる市場参加者が多く、

薄商いで相場が不安定になりやすい面もある。

19日の値動きだけではこれ以上の見極めは難しいが、

年末ラリー実現へのハードルが高まったことは確かだ。

16日のNY特急便

「中国に関税をこれ以上課す必要はないかもしれない。

中国も取引成立を望んでいる」。

米東部時間の16日午後0時半すぎ。

トランプ米大統領の発言が伝わると、小幅安で推移していたダウ工業株30種平均は一気に200ドルあまり上昇した。

市場が待ち望む米中貿易戦争の「休戦」がにわかに現実味を帯びたからだ。

「米中の対話姿勢が明らかに変わってきた。摩擦はもうエスカレートしないのでは」。

トランプ発言の直後、楽観的な相場見通しで知られるBライリーFBRのアート・ホーガン氏は期待感を隠さなかった。

米中トップは11月末の20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせ、貿易問題で会談する予定。

ミラー・タバックのマシュー・マリー氏は「トランプ氏は株価が低迷したまま会談に臨みたくないはず」と読む。

交渉で強気に出にくくなるためだ。

会談までは意図的に株式市場に好材料を流す可能性があるという。

株価変動がトランプ氏の政治判断に影響を与えているとの見方は多い。

同氏が中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席に電話をかけ、首脳会談の開催で合意したのが11月1日。2日には対イラン制裁で同国産原油の禁輸を一部緩和した。

直前の10月末に米株が4カ月ぶりの安値を付けたことと無関係ではないだろう。

米国は9月下旬に対中制裁関税の第3弾として、2000億ドル(約22兆円)相当の中国製品に10%の追加関税を課した。

来年初めには税率を25%に引き上げる方針で、世界経済への影響が懸念されている。

市場の期待通り、今月末の会談で休戦に至るのか。

米報道によると、対中で超強硬派のナバロ大統領補佐官は交渉の邪魔になるとして外されているという。

だがもう1人の強硬派、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表がいる。

フィナンシャル・タイムズ(FT)が15日午後、「米中が首脳会談で貿易戦争の休戦で合意する努力を強めている」と報じると、数時間後にライトハイザー氏は報道を完全否定した。

ゴールドマン・サックスのヤン・ハチウス氏は会談をあまり楽観していない。

「大統領選が近づく来年終わりか20年まで、米中関係を大きく進展させる合意はない可能性が高い」とみる。

合意を成果として誇り、株価を押し上げるのは選挙前の方が得策だからだ。

一時休戦して協議継続を強調するだろうが「最終合意がなければ2~3カ月後に再びエスカレートする公算が大きい」という。

モルガン・スタンレーのマイケル・ゼザス氏も「一時休戦はあっても平和条約の締結には至らない」と指摘する。

知的財産権の保護、資本規制の緩和、国有企業改革など「中国にとって難易度が高い問題が残り、短期的には解決できない」ためだ。

米中の市場や経済への懸念が強まり、双方が妥協せざるを得なくなるまで摩擦は激化するとみる。

米中関係を巡るトランプ氏や関係閣僚の発言に市場は揺さぶられてきた。

16日のダウ平均もトランプ発言で220ドル高まで上げた後、9ドル高まで伸び悩む場面があった。

米中融和を信じられない投資家もかなりいる。

明確な進展がみえるまで、相場変動の大きい状態が続くことを覚悟する必要がありそうだ。

15日のNY特急便

15日の米株式市場で、ダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反発し、前日比208ドル高い2万5289ドルで取引を終えた。

米中貿易摩擦が収束するとの期待から、午後に入って投資家心理が改善した。

もっとも

朝方は売りが先行。一時は300ドル近く下げるなど、引き続き不安定な市場環境が続いている。

1年で消費が一番盛り上がる年末商戦の始まりがいよいよ来週に迫ってきた。

大一番を前に、小売企業の8~10月期決算の発表はピークを迎えている。

15日はダウ構成銘柄の一つで、米小売最大手のウォルマートが決算を発表した

。結果は実店舗とネット、どちらも売り上げの高い伸びが続く好決算だったが、株価は2%下落。

やや不思議な動きといえる。

ウォルマートが抱える問題の一つが、売上高総利益率の低下傾向だ。

中核の米国事業では、6四半期連続で利益率が低下した。

投資会社コーウェンは「輸送コストの高まりや海外での投資、また価格競争への対応が利益率の低下につながっている」とみる。

ネット通販の調査会社プロフィテロが今年4月から6月にかけて、アマゾン上の10万点の商品価格を他のネット通販サイトと比較したところ、アマゾンの価格は平均して13%安かった。

アマゾンは15の商品分類のうち11種で最安値を提示していたが、「対アマゾンで最も競争力があったのはウォルマートだった」(プロフィテロ)という。

傘下のジェット・ドット・コムも加えると、ウォルマートはベイビー用品や収納家具、美容グッズではアマゾンより安値だった。

今はスマホの普及で消費者が常に価格を比べ、50セントでも安い商品を探し求める時代。

もともと「エブリデー・ロープライス(毎日安売り)」が標語のウォルマートだが、以前よりずっと激しい価格競争で利益がむしばまれている。

ネット通販での利益率向上のために、ウォルマートが増やしているのが日用品よりやや高額で利幅の大きい商品だ。

10月にネット専業のアパレルブランドを2つ買収し、カー用品販売店との提携も発表した。

店舗では安売り路線を堅持して客足を保ちつつ、ネットでは高所得者に顧客層を広げようとしている。

ウォルマートのダグ・マクミロン最高経営責任者(CEO)は利益率向上に向けた取り組みについて「時間はかかるが、進展している」と強調する。

市場ではウォルマートの取り組み自体は評価するものの、「世界経済の減速懸念と今後の消費動向がリスク」(コーウェンのアナリスト、オリバー・チェン氏)という声が聞かれた。

こうした見方は小売株全体を下押ししている。

前日14日に発表された百貨店大手メーシーズの四半期決算も既存店の売上高が市場予想を上回る好内容だったが、それでも株価は14日に7%以上下落した。

貿易摩擦による影響も、引き続き懸念材料だ。

今年の年末商戦は全体で5%前後の高い伸びが予想されるが、その後は個人消費の鈍化が予想される。

減税効果がはげ落ち、金利や物価の上昇が家計を圧迫する可能性が高いからだ。

国内総生産(GDP)の7割を占める消費が減退すれば、米経済全体にもかかわってくる。

好決算でも売られる小売り株の動きは、投資家の先行きへの不安感を投影している。

14日のNY特急便

14日の米株式市場で、ダウ工業株30種平均は前日比205ドル安の2万5080ドルと4営業日続落した。

朝方発表された消費者物価指数(CPI)が市場予想通りの伸びとなったことをうけ、インフレ加速の懸念が後退し、朝方は堅調に推移していた。

だが、投資評価が引き下げられたアップルが大幅に下げると、IT(情報技術)セクターにも売りが広がりダウ平均も前日比でマイナスに転じた。

強気相場への足がかりを模索する株式市場にとって、弱気相場入りした原油価格の行方が新たな不安材料となっている。

14日の米原油先物市場で指標となるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート、期近物)は前日比1%高の1バレル56.25ドルと小幅反発したが、13日は前日比7.1%安と大幅に下落し、約1年ぶりの安値をつけた。

一日の下落率は約3年ぶりの大きさ。

10月3日につけた高値からの下落率は約27%で弱気相場の領域にとどまっている。
原油や銅などのコモディティー価格は世界景気に敏感とされる。

銅の先物が年初比18%安と下落基調を続けているのに対し、原油は10月初旬に約4年ぶりの高値をつけ、堅調さを維持してきた。

だが、11月に入って原油が急落したことで国際商品相場の代表的な指数である「S&P・GSCI」も9日に年初比でマイナスに転じた。

こうした中で、原油価格の急落が単に供給過剰による需給の緩みを見込んだ調整なのか、それとも世界経済の景気後退を示唆する値動きなのかという懸念が浮上し、株式市場の不安材料となっている。

米運用会社ナベリエの投資ストラテジスト、イバン・マートチェフ氏は原油価格急落の理由は供給増に対する懸念ではなく、需要減少の見通しにあると分析。

特に「原油の最大輸入国の中国の景気後退懸念が強まっていることが要因」と警告する。

中国国家統計局が14日に発表した10月の小売売上高では、伸び率が前月に比べ縮小し、中国の内需や景気減速への警戒心が強まっている。

一方、ドイツ証券のストラテジスト、パラグ・サット氏は「供給減を意識して割高となっていた原油に対する価格調整で、世界景気後退のサインは見られない」と強気だ。

原油は米国が11月から開始したイラン産原油の禁輸によって供給不足に陥るとの見方から買われていたが、サット氏はWTIが76ドル台に乗せた10月初旬には適正価格より30%以上割高の水準になっていたと指摘する。

11月に入り、トランプ政権がイラン産原油の主要輸入国8カ国に対して禁輸適用除外を発表したことから供給増への懸念が急浮上し、大幅な価格調整につながっていると分析する。

市場関係者のなかで原油下落の解釈は分かれるが、一致するのは原油価格のボラティリティー(変動率)の高まりが株価の重荷になるとの見方だ。

米証券会社マクロ・リスク・アドバイザーズのマヤンク・セクサリア氏は原油相場の急落は「市場の不確実性を高め、株式市場のボラティリティーの増加と投資家心理の悪化につながる」と指摘する。

投資家心理を測る指標である米株の変動性指数(VIX)は12日に警戒水域とされる20台まで上昇し、14日も同水準で推移している。

ドイツ証券の分析によるとWTIの適正価格は53ドルで下値にはまだ余地がある。

原油相場が落ち着きを取り戻すまでは、株式相場の底打ちも遠そうだ。

13日のNY特急便

13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落した。

前日に602ドルの大幅な下げを演じ、買い戻しが先行したものの、結局は下げ幅を約100ドル追加して終えた。

買いは続かず、弱い材料には敏感に反応する。多くの市場参加者が期待を寄せる「年末ラリー」の実現性を疑わせるような動きだった。

前日のアップルとゴールドマン・サックスに続き、この日の市場の心理を冷やしたのが、航空機大手のボーイングだ。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが12日夜、旅客機737MAXに搭載された最新の飛行制御システムについて、潜在的な危険性を航空会社などに周知していなかったと報じた。

このシステムの脆弱性は、10月にインドネシアで起きた墜落事故との関連が指摘されている。

インドネシアの捜査当局が訓練不足とともに操縦マニュアルの不備を示唆したという報道とあわせ、投資家の懸念を誘った。

同型機は世界の航空機需要の拡大を追い風に広く販売されてきただけに、情勢次第では収益への影響が出かねないためだ。

ボーイングは2%強下げ、1銘柄でダウ平均を約51ドル押し下げた。

だが、ボーイングだけではない。

前日の下げの主役となったアップルとゴールドマンも下げ止まらず、この日の指数を計20ドル近く押し下げた。

アップルの急落は同社の成長鈍化への懸念とともに、主力IT(情報技術)株にあまりに投資マネーが集中してきたことへの警戒感の表れでもある。

一方、ボーイングや、マレーシアの政府系ファンドの資金流用疑惑への関連が懸念されるゴールドマンの下げは、悪材料に敏感な地合いを象徴している。

投資家が米株に弱気一辺倒なわけではない。

バンクオブアメリカ・メリルリンチが13日発表した11月の機関投資家調査によると、10月の米株急落後、投資マネーが米株に回帰する兆しもみえる。

運用資産に占める現金比率は前月の5.1%から4.7%に低下し、新興国株とともに米国株にシフトする動きがみられた。

さらに米国株を厚めに保有(オーバーウエート)している投資家の割合は、差し引きで14%と前月の4%から大幅に上昇。

米国は世界の株式市場のなかで最も好まれる地域に返り咲いた。

だが、バンカメメリルのストラテジスト、マイケル・ハートネット氏は「我々は弱気なままだ。

投資家のポジションは、いまだに資産市場の『大底』を示唆していない」との見方を示す。

もっとはっきりと米国株離れが起きないと、その後の力強い相場反転にはつながらないというわけだ。

ハートネット氏は大底の到来を「早くて2019年の4~6月期」とみる。

それまでは値動きの荒い神経質な展開が続くという見方もできる。

投資家が米株志向を「短期決戦」と割り切っているフシがあるのも気がかりだ。

今回の調査では差し引きで44%が今後1年の世界経済の成長が鈍ると回答。

金融危機下の08年11月以来の高さとなった。

そのなかで19年に最も運用成績が良い資産としては、45%が米国外の株式と回答。

米株(S&P500種)は17%にすぎなかった。

中間選挙を挟んだ前週は「政治的な不透明感がなくなる」の見方から米株は急伸。

ある米運用会社幹部のもとにはいったん米株の比率を落としていた顧客から、「何か買いたい」という話が相次いだという。

結局、目立ったのは大手IT株への回帰。

今回のアップルの急落で、そうした投資資金が再び振るい落とされた可能性はある。

何かの拍子で株価が大きく下げれば、そうした資金は戻ってくる。

だが、そうした資金の細かな出入りは、かえってハートネット氏の言う本格反転につながる「大底」を遠ざけてしまう。

こうした状況が続くとすれば、本格的な年末ラリーは期待薄かもしれない。

12日のNY特急便

12日の米株式市場で、ダウ工業株30種平均は前週末比600ドルを超える大幅下落となった。

終値は2%超安い2万5387ドルと、先週の上昇分がほぼ帳消しになった格好だ。

主力商品の販売減速懸念が強まったアップル株が5%下落し、売りは他のハイテク株にも波及した。

ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数は3%近く下落した。

アップルとアマゾン・ドット・コム。

これまで米株市場をけん引してきた「2つのA」の失速が相場を混乱させている。

アップルのスマートフォン(スマホ)「iPhone」向けに顔認証センサーを供給する米ルメンタム・ホールディングスは12日朝、「大口顧客の大手1社から、10~12月期の出荷を大幅に減らすよう要請を受けた」と明らかにし、業績見通しを大幅に引き下げた。

市場では大手1社とはアップルでほぼ間違いない、との見方がまたたく間に広がった。

ウェルズ・ファーゴのアナリスト、アーロン・レイカーズ氏は「ルメンタムの下方修正の幅を踏まえると、アップルは注文を最大3割程度減らした可能性がある」と指摘する。

アップルを巡っては、スマホの製造を委託している台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業などに新型「XR」の増産中止を要請したことも先週明らかになった。

JPモルガンは12日付のリポートで「2018年度と19年度のiPhoneの売上台数は、前年度実績を下回る」との見方を示し、目標株価を引き下げた。

iPhoneは高機能化に伴って平均単価が3割上昇。

高級路線が奏功し、アップルが1日に発表した7~9月期業績は31%の増益を記録した。

ただ、販売台数は横ばいにとどまり、市場の失望を招いた。

JPモルガンは
(1)トルコやインドなど新興国の経済指標が弱含み、一部の国で消費者心理が悪化している
(2)ドル高で海外での製品価格が上昇する――ことなどを理由に、販売見通しを下方修正したという。

もう一つのA、アマゾンの株価も低空飛行が続く。高値からの下落率が2割を超え、ついに「弱気相場」入りとされる水準まで下げた。

10月末に発表した7~9月期決算で売上高が市場予想に届かず、10~12月期の売上見通しも予想を下回った。

株式市場で苦戦に直面する2社は勝負の年末商戦を前に、手を組む。

アップルはこれまでアマゾンを通じての販売はごく一部の製品に限定してきたが、日米欧の正規の販売代理店経由で最新型のスマホやタブレット端末の販売に乗り出す。

アップルは利用者が多い世界最大のネット通販サイトに出品し、販売のテコ入れを狙う。アマゾンにとっても品ぞろえの充実は重要だ。

両社のもくろみが一致した格好だが、リスクがないわけではない。

アップルは重要な販売データをアマゾンに一部手渡すことになり、アマゾンは正規販売品以外を厳しく取り締まる必要が出てくる。

両社ともに端末の製造・販売(アップル)、商品の販売(アマゾン)で築いてきた自社の商圏に会員を囲い込み、サービス手数料で稼ぐビジネスを成長分野とみるが、投資家の関心は目先の売上動向に傾きがちだ。

今年、時価総額1兆ドル(約113兆円)超えを果たしながら、成長鈍化懸念から株価が急落した似たもの同士の2社。

彼らの関係強化は、投資家を満足させる結果を残せるだろうか。

9日のNY特急便

深まる内憂外患が米株式相場の戻りに冷水を浴びせた。

9日のダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落し、201ドル安で終えた。

中国経済の先行きへの懸念が改めて高まり、予想通りとなった米中間選挙の結果を受けた相場上昇が一服した。

国内外で広がる不透明感が上値を抑えそうだ。

「内需と生産活動への憂慮すべき兆候だ」。

金融仲介会社IGのジョシュア・マホーニー氏が警戒するのは中国経済の減速だ。

中国国家統計局が9日に発表した10月の卸売物価指数(PPI)は前年同月比で3.3%上昇と伸び率が前月から0.3ポイント縮小し、3月以来の低水準に沈んだ。

PPIは企業が財やサービスから得る価格の動向を示す。2017年2月には8%に迫ったが、足元で鈍化が鮮明だ。

中国経済のさらなる減速を示唆しているとの見方が広がり、中国での売上高比率が相対的に高い建機のキャタピラーやアップルに売りが膨らんだ。

中国汽車工業協会が発表した10月の中国の新車販売台数も市場の警戒を誘った。

11.7%減と4カ月連続の前年割れで、1~10月の累計販売台数もマイナスに沈んだ。18年通年でも28年ぶりに減少する見通しだ。

中国市場で独フォルクスワーゲンとともにトップを競うゼネラル・モーターズ(GM)も売り込まれた。

世界第2位の経済大国の減速は幅広い影響をもたらす。

欧州連合(EU)の欧州委員会は8日、19年のユーロ圏の実質成長率の見通しを前年比1.9%と7月の見通しから0.1ポイント下方修正した。

英国のEU離脱問題やイタリアの財政リスクも抱え、経済見通しの冒頭で「先行きは不確実性でいっぱいだ」と吐露した。

「外患」が強まる一方、「内憂」も少なくない。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が10月3日に米経済について景気を過熱も冷やしもしない中立金利には「まだ距離がある」と発言して以降、金利の先高観がくすぶっている。

米労働省が発表した10月のPPIは前月比0.6%上昇と、12年9月以来の大幅な伸びになり前年同月比では2.9%上昇した。

物価の上昇基調を受け、FRBの利上げが想定以上に引き締め的になるとの懸念は根強い。

米長期金利は3.2%前後と約7年5カ月ぶりの高水準である3.26%近辺で推移している。

物価上昇期待を除いた実質金利は1.15%近辺と、11年以来の水準まで上昇した。

貿易戦争の影響を受けにくいとして8月まで相場上昇をけん引した内需依存の中小型株が中心のラッセル2000指数は、依然として8月末に付けた直近高値を1割以上下回る「調整局面」を脱していない。

中間選挙を通過したとはいえ、トランプ米政権が落ち着く兆しも乏しい。

9日は7日にセッションズ司法長官を更迭したばかりのトランプ米大統領が、人事の刷新案としてロス商務長官の交代を望んでいると周囲に話していると政治サイトのポリティコが報じた。

市場では年末に向けた相場上昇を見込む声がなお多いが、「もう一度『ふるい落とし』の局面が来る」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との警戒感もくすぶる。

強気派が頼る「中間選挙後は買い」との経験則に安易に乗ると痛い目に遭うかもしれない。

8日のNY特急便

8日の米株式市場でダウ工業株30種平均はわずかに上昇し、米中間選挙をまたいで4日続伸となった。

午後に発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)による政策金利の据え置きは予想された内容で、市場への影響は限定的だった。

8日に7~9月期決算を発表した米液化天然ガス(LNG)事業会社のシェニエール・エナジーは、最終損益が黒字に転換した。

南米やアジアへのLNG輸出が伸び、売上高が前年同期から3割増加した。

市場が評価したのは黒字決算よりむしろ、合わせて公表したLNGの輸出計画だ。

シェニエールは同日、ポーランド国営の石油ガス会社「PGNiG」との間で、24年間のLNGの販売契約を結んだと発表した。

テキサス州で建設中のLNGプラントの稼働が上向くとの見方から、株価は前日比2.2%高まで買われた。

ポーランドなど欧州各国は、ロシアへのエネルギー依存からの脱却を進めている。

PGNiGのウォズニアック最高経営責任者(CEO)は現地で記者会見し「米国産のLNGはロシアの天然ガスより2~3割安く調達できる」と述べた。

会見には米エネルギー省のペリー長官も同席。

「調達先を多様化することで、欧州各国のエネルギー安全保障は前進する」と自国のLNGを売り込んだ。

トランプ米政権は世界のエネルギー市場での覇権をめざし、シェール由来のLNGの輸出を推進してきた。

大口の輸出先として期待したのが中国だ。

中国は大気汚染対策として石炭から天然ガスへの燃料シフトを進め、17年に日本に次ぐ第2位のLNG輸入国となった。

米国からの輸出量も前年の6倍に急増した。

だが、トランプ政権は自らが仕掛けた貿易戦争でLNGの輸出に足かせをはめた。

米国による2000億ドル(約22兆8000億円)の関税に反発した中国政府は9月、米国産LNGに10%の報復関税を発動した。

米国が19年に税率を25%に引き上げれば、中国も引き上げで対抗すると示唆している。

25%の追加関税がかかれば、米LNGは中国で競争力を失う。

LNG生産には多額の投資を伴うため、販売は20年程度の長期契約が一般的だ。

拡大する中国市場をロシアや中東勢に先に押さえられれば、米シェールガスは行き場を失う。

市場関係者の間では、11月末にも予定される米中首脳会談への期待が高まる。

米ブルームバーグ通信が先週「トランプ米大統領が中国との通商合意に向けた草案作りを指示した」と報じると、米中の対立が緩和するとの見方から株価は一斉に上昇した。

だが、米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長は直後に「合意は近くない」と報道内容を否定した。

LNG企業は中国に見切りをつけ、欧州市場に目を向け始めた。

ベンチャーグローバルLNGは9月にスペインの石油大手レプソルとの20年契約を発表。

シェニエールもスイスの資源商社と15年契約を結んだ。

シェニエールのジャック・ファスコCEOは8日の会見で「天然ガス需要が増えているのは中国だけではない。

韓国やインド、パキスタンも輸入を増やしており、顧客は世界中にいる」と強調した。

一部の楽観論を横目に、企業は貿易戦争の長期化に備え始めた。ここに記事をお書きください。

7日のNY特急便

7日の米株式市場でダウ工業株平均は大幅に3日続伸し、上昇幅は500ドルを超えた。

民主党による下院多数派の奪還という予想どおりの結果となった米中間選挙。

不透明要因がなくなった安心感から、週初からの反発の勢いに拍車がかかった。

上下両院で多数派が異なる「ねじれ」は政策停滞への懸念につながるが、

その停滞こそが株価を押し上げているという奇妙な解説も聞かれた。

どういうことだろうか。

「願わくは、我々は米国民のために一緒に取り組んでいきたい。

(重点は)経済成長やインフラ、通商、薬価引き下げなどだ」。

トランプ米大統領が記者会見でこう語ると、ダウ平均は一段高となった。超

党派での政策推進に期待した「ご祝儀買い」にもみえるが、

与野党の融和を本気で信じる市場関係者は必ずしも多くない。

「ねじれ議会は株式にとって緩やかな強気要因」。

バンクオブアメリカ・メリルリンチのストラテジスト、

サビータ・スブラマニアン氏らは7日のリポートでこう指摘した。

大きいのは過去の「実績」だ。

1952年以降、中間選挙があった次の年の米株式の運用収益をみると、

共和党の大統領とねじれ議会という組み合わせでは19.9%に達し、

党を問わず大統領と議会がねじれる組み合わせ(22.3%)に次ぐ成績だったという。

スブラマニアン氏は株高の理由を「何もなされないし、何も中止されない」と表現する。

大統領選と異なり、中間選挙では政権の方向はある程度、固まっている。

急激な方針転換のリスクが高まるよりも、現状維持のほうが市場にとっては安心というわけだ。

2年前の大統領選の直後は全く違った。選挙前、

差別的な発言をいとわないトランプ氏の勝利は株安を招くとみる声は強かった。

だが、共和党が上下両院で多数派を握る情勢が明らかになると、

「大型減税」という経済界の悲願の実現性に脚光が当たり、

株価が急騰する「トランプ相場」が始まった。

この路線が続くほうが株式相場には望ましいという見方も成り立つ。

だが今の市場には、共和党が大統領のイスと上下両院の

多数派を一手に握った政治体制の「使命」は、

減税実現ですでに果たされたという空気も漂う。

今回の選挙で共和党が上下両院の多数派を堅持した場合、

トランプ政権と共和党は、個人所得減税を恒久措置にすることを含めた

大減税第2弾の実現に動き出していた可能性が高い。

ゴールドマン・サックスのエコノミストチームは第2弾が2019年の成長率を

0.3ポイント押し上げるとはじいていた。株式市場には最高の展開にも思える。

ゴールドマンのストラテジスト、プラビーン・コラパティ氏の見方は違う。

「この財源は国債発行によって賄われ、金利に上昇圧力がかかる可能性があった。

さらに、米連邦準備理事会(FRB)の一段の金融引き締めに帰結していた」と副作用を指摘する。

利上げ加速や長期金利上昇への懸念は、10月に株価が急落した主な要因だった。

モルガン・スタンレーのストラテジスト、マイケル・ウィルソン氏は、政策停滞によって

「短期的には株式市場はここ数週間、直面してきた金利上昇リスクが和らぐ」とみている。

米長期金利は株価の急騰につれて上昇圧力がかかったものの、

中間選挙を受けた直接の反応は債券買い(金利低下)だった。

政策停滞への思惑は金利の上昇を抑える方向にも作用する。

だが「現状維持」への安心感がもたらす株高は、トランプ政策にもともと内在する

リスクを軽視している。代表格は米中貿易戦争だ。

中国からの全輸入品をカバーすることになる対中制裁関税の「第4弾」

にまで突き進むと、コスト高の圧力は米景気を強く押し下げることになる。

民主党に根強い保護主義的な傾向が、対外強硬姿勢に拍車をかける可能性すらある。

ダウ平均はこの日の上昇で10月29日の直近安値から1700ドル強上昇し、

10月3日の最高値からの下げ幅(2385ドル)の7割強を取り戻した。

いつのまにか最高値までの距離は650ドル弱に迫っている。

これからは戻りの勢いが試される局面だ。

単純な「中間選挙後は買い」という経験則に根ざした陶酔相場は危うさも秘めている。

6日のNY特急便

6日の米株式市場は中間選挙の開票結果を待って模様眺めのムードが支配的となった。

ダウ工業株30種平均は小動きに終始したが、引けにかけて買いが強まり前日比173ドル高で終わった。

市場の最大の関心は下院の過半数の議席を民主党が奪回できるかどうかだ。

上院が共和党、下院が民主党というシナリオ通りになれば、この材料はすでに織り込み済みと言われる。

しかし、16年の大統領選のように大方のメディアの予想を覆すような結果になれば市場の波乱要因になるだけに投資家はこの日の夜半から出始める開票結果を固唾をのんで見守っている。

ニューヨークのマンハッタン、アッパーイーストサイドの投票所。

土砂降りの悪天候にもかかわらず、通勤前に投票を済ます有権者が去った朝10時の時点でも長い行列ができていた。

老若男女、車椅子の人まで投票用紙を手に待ち時間は1時間にも及んだ。

「こんな大勢の投票者が中間選挙に来るのを見たのは初めて。とってもエキサイティングよ」。

キャサリンさん(42)は長い待ち時間に不平を言うどころか、大勢の有権者をみて声を弾ませた。

「それだけ現状の政治に満足していないということ。

民主党が下院の過半数を獲得してもらわないとね」と強調する。

民主党支持者の多いニューヨークはとりわけこうした現状打開派が投票に来る例が目立つ。

「もう期日前投票を済ませたよ」。

民主党を支持するペンシルベニア州の有権者のマークさん(41)は早々に投票を済ませ、あとは開票結果を見るのみと語った。

中間選挙の投票率はこれまで有権者の4割程度で、大統領選の6割に比べると低い傾向だ。

しかし今回は期日前投票でもすでに3500万人と、前回14年の2千万人弱を大きく上回った。

それだけに投票率も従来を上回る記録を出すかもしれない。

「When We All Vote」。今回の選挙のコマーシャルで目に付いたのは候補者のPRに加えて、このNGOによる有権者に投票を促すメッセージだ。

この団体はミッシェル・オバマ前大統領夫人が共同会長を務め、俳優のトム・ハンクスなど著名人も運営陣に並ぶ。

政党に関わらず有権者に投票を呼びかけているが、名を連ねる著名人を見れば、民主党の議席をできるだけ多く獲得するためには投票率を高めることが最大の方策とみているのは明らかだ。

黒人専門ケーブルテレビなどでもこの団体の宣伝を頻繁に打ち、マイノリティーに投票を呼びかける。

投票率の上昇はこうした活動が追い風になっているようだ。

予想通りに民主党が下院の過半数を奪回した場合、投資家が考慮すべきシナリオは何か。

これについて米資産運用会社ルーミス・セイルズのチーフエコノミスト、ブライアン・ホリガン氏は、「市場このシナリオを織り込み済みで、相場が大きく動くことはないだろう」と指摘。

その上で上院の過半数の議席を共和党、下院が民主党というねじれ議会になれば、様々な法案通過が難航停滞することを懸念する。

ただ、民主党がトランプ政権とインフラ整備、薬価引き下げ、最低賃金引き上げなどで協力する可能性が高いとみる。

その意味で建設、資材関連の株価上昇が期待できるが、一方で製薬業界は試練が待っているようだ。

また、民主党が財政赤字削減のために増税案を打ち出せばトランプ政権との間で対立が強まるとみる。

トランプ大統領を巡っては、選挙資金違反や税務、女性問題などで下院の公聴会も開催される可能性が高いという。

その意味で市場は早くも2年後の大統領選の行方に注目を始める。

トランプ政権の立場は貿易摩擦など世界経済だけでなく、海外諸国で勢いを増しているポピュリスト政権のあり方にも影響するとみられる。

今回の中間選挙の結果は米国内のみならず、海外でも見逃せない大イベントだ。

米中間選挙は6日、全米で投票を実施し

米中間選挙は6日、全米で投票を実施し、同日夜(日本時間7日午前)から開票が始まった。

与党・共和党が下院で過半数を維持できるかどうかが最大の焦点で、野党の民主党と激しく競い合っている。

今回の選挙はトランプ政権への事実上の信任投票で、その結果は今後の政権運営だけでなく2020年の大統領選に大きな影響を及ぼす。

中間選挙は下院の全435議席、上院は全100議席の3分の1に補選を含めた35議席が改選対象。

現在は上下両院で共和が過半数を握る。全米50州のうち36州では知事選も実施した。

複数の米メディアによると、米東部時間6日午後9時半(日本時間7日午前11時半)の時点で、下院の当選確実は共和80、民主75となっている。

事前の予測では民主が優位とされていたが、最終盤になって共和が激しく追い上げており、過半数の218を巡って接戦となっている。

上院の当選確実は共和1、民主13。非改選議席とあわせると、共和43、民主36。

インディアナなど2016年大統領選でトランプ氏が勝利した州で民主現職が議席を守れるかが注目を集めている。

このうち、ウェストバージニアは民主現職が議席を守った。

フロリダでは民主の現職と共和の激戦が続いている。

テキサスやアリゾナなど共和が長年地盤としてきた州でも、接戦となっている。

事前の予測では、上院は共和が多数派を維持するとの見方が多い。

下院で民主が過半数を奪還すれば8年ぶりとなる。

上院と下院で多数派が異なる「ねじれ議会」となれば、トランプ氏が掲げる「米国第一」の政策実現のハードルは高まり、厳しい政権運営を余儀なくされる。

下院は過半数の賛成で大統領の弾劾手続きを始める権限を持ち、トランプ氏への追及を強める可能性が大きい。

逆に共和が上下両院で過半数を維持できれば、政権にお墨付きを得たとして、トランプ氏は米国第一の政策を強力に推進しそうだ。

大統領選の再選にも弾みがつく。

共和は選挙戦で好調な景気と雇用増を政権の実績としてアピール。

終盤は中米から米国に向かう移民集団の脅威を訴え、対策強化の必要性を訴えた。

これに対し、民主は社会の分断をあおるとして政権批判を強め、女性や若者とともにヒスパニックなど少数派の支持取り込みに力を入れた。

フロリダ大のマクドナルド准教授の集計によると、期日前・不在者投票の投票者数は約3840万票で、前回14年の約2700万人を大きく上回る異例の高水準。

投票率が約6割の大統領選と比べ、中間選挙は4割台にとどまる例が多い。

複数の米メディアは今回、投票率が上昇するとの見方を伝えている。

ヴェルサーチ売却、近く合意 米マイケル・コースが株取得

米高級ファッションブランドのマイケル・コース・ホールディングスは、イタリアの同業ジャンニ・ヴェルサーチの買収で近く合意すると関係者が明らかにした。

ヴェルサーチの企業価値を約20億ドル(約2250億円)と評価した取引となる見通し。

 マイケル・コースは昨年にも英高級靴のジミーチュウを約12億ドルで買収した。

経営不振のマイケル・コースは事業再建につなげるため同業他社の買収を強化しており、ヴェルサーチの買収もその一環に位置付ける。

 関係者によると、マイケル・コースは今週中にも買収を発表する可能性がある。

ヴェルサーチの創設者の妹でクリエーティブ・ディレクターのドナテラ・ヴェルサーチ氏は、マイケル・コースによる買収を発表するため従業員との会合を25日に設定したという。

 関係者によると、ヴェルサーチの株式20%を保有する米投資会社のブラックストーン・グループは今回の取引で持ち株を売却する方針。一方、残り80%の株式を保有するヴェルサーチ家の立場に変更はない。

 イタリア紙コリエレ・デラ・セラは先に、ヴェルサーチが今週にも買収される可能性があると報じていた。買い手候補にはマイケル・コースの他に、米宝飾品大手ティファニーや米高級ブランドのタペストリー、仏高級品メーカーのLVMHモエヘネシー・ルイヴィトンの名前が挙がっていた。

 バロック調のデザインとメデューサの頭をあしらったロゴで有名なヴェルサーチは、2016年に最高経営責任者(CEO)としてジョナサン・エイクロイド氏を指名した。

同社は新規株式公開(IPO)を目指していたが、市況により計画を断念した。

ヴェルサーチ提供の資料によると、同社は17年に6億8600万ユーロ(約910億円)を売り上げ、黒字に持ち直した。

2日のNY特急便

2日の米ダウ工業株30種平均は109ドル安と4日ぶりに反落した。

「米中貿易問題で大統領が合意案の作成を指示した」との報道を受けて高く始まったが、米政府高官が報道を否定すると売り込まれた。その材料とは別に、株安を主導したのがアップルだ。

一時は7.6%下落し、時価総額が3カ月ぶりに1兆ドル(113兆円)を下回った。

1日夕方に発表した四半期決算で示した10~12月期の売上高予想が弱いとみなされた。

前年同期比1~5%増と、20%増だった7~9月期から減速する。加えて、今後の四半期決算でiPhone(アイフォーン)の販売台数の開示をやめる方針を示したことも「販売台数が減少するためだろう」と受け取られた。

「スーパーのレジで、カートの中に商品が何個入っているかと聞く店員はいない」。

アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は「販売台数の数字は重要ではない」とアナリストらに説明したが、通じなかったようだ。

今回の7~9月期決算を受けたハイテク大手の株価は明暗が分かれた。ネットフリックスとマイクロソフトは発表後に大きく上昇。

一方、アマゾン・ドット・コム、アルファベット(グーグル)、アップルは大幅安に見舞われた。

下落組に共通するのは、利益は市場予想を大きく上回った半面、売上高やその予想が市場の期待に届かなかった点だ。

「売上高の減速ばかりに関心が集まり、成長性が低下したと判断された」(米投資会社スウォーズモア・グループのカート・ブランナー氏)。

こうした判断は妥当といえるのか。

アマゾンの7~9月期の売上高は565億ドルと前年同期比29%増えたものの、市場予想(571億ドル)を下回った。

だが、利益の伸びは劇的だ。営業利益は37億ドルと11倍に膨らんだ。

企業向けのクラウド事業に加え、北米のネット通販事業が利益に貢献した。

クラウド事業ではデータセンターの開設、北米のネット通販では物流網の構築など先行投資を続けてきた。

ジェフリーズのブレント・シル氏は「これまでの投資がテコとなって、利益を急激に生み始めた」と指摘する。

最終赤字と黒字を行ったり来たりしていたアマゾンが、利益成長のフェーズに移行したといえる。

コスト削減で利益をひねり出しているのではなく、投資の成果が表れて本業の採算が改善しているのがポイントだ。


アナリスト予想の平均ではアマゾンの1株利益は5年後に5.2倍に拡大する。

今期予想ベースで80倍強のPER(株価収益率)でも割高とはいえない、との見方も成り立つ。

アップルもiPhoneの高付加価値モデルへの移行、音楽や動画配信などサービス事業の強化で利益を伸ばす戦略に転じている。

キーバンク・キャピタルマーケッツのアンディー・ハーグリーブス氏は「アップルの利益成長はiPhoneの販売台数と連動しなくなった」と、販売台数の開示停止に理解を示す。

代わりにアップルは、サービス事業の売上高総利益率(粗利率)を次回決算から開示する方針だ。

「その方が投資家にはより重要な指標となる」(ルカ・マエストリ最高財務責任者)。

売上高の伸びだけでなく、利益率にも市場の関心が向かうきっかけになるかもしれない。

11月1日のNY特急便

1日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸した。

「悪夢」のような下げ相場だった10月を終え、幸先の良い11月相場のスタートを切った。

10月末からの反発の流れに乗り、割安感が出たハイテク株や好決算銘柄の物色が続いた。

ダウ平均に加えて機関投資家が重視するS&P500種株価指数、ハイテク株が多いナスダック総合株価指数もそろって3日続伸。

「たかが3日続伸」と思いそうだが、ダウ平均では10月初旬にかけて以来、ほぼ1カ月ぶり。

S&Pだと9月中旬以来、とくに調整色が強かったナスダックに至っては8月下旬以来だ。

いかに「上げらしい上げ」がなかったかがわかる。

「たった今、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席と長い時間、非常によい話し合いをしたところだ」。

月初の買いを勢いづかせたのが、トランプ米大統領が午前中にしたツイートだ。

電話での首脳協議のテーマは多岐にわたり、「とくに貿易(問題)に重点を置いた」という。

トランプ氏は、11月末にアルゼンチンで開く20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせ予定される米中トップ会談に向け、「協議がうまく進んでいる」とも指摘。

市場に米中貿易協議が進捗するとの思惑を生んだ。

米中貿易戦争を巡っては、企業の幹部らが決算発表で相次いで影響に言及して懸念が強まり、「悪夢の10月相場」の元凶の一つになった。

終息の兆しがみえれば、一転、「力強い11月相場」の原動力になる。

だが、そう簡単な話とも思えない。

シティグループのグローバルエコノミスト、セザール・ロハス氏は米中の緊張関係について「和らぐ小さな余地はある」としながらも、「改善に向かう前に悪化する」と予想している。

ロハス氏の見立てでは、関係改善に必要なのは「中国側の譲歩」だ。

米政権は「中国側が貿易収支の再調整や一段の市場開放、非市場慣行の扱いで何らかの譲歩に応じる兆候を探している」。

だが「交渉が不調に終われば、何らかの制裁に動く」と読む。

それだけハイテクや軍事面の覇権争いを含めた米国の「中国封じ込め戦略」は強硬というわけだ。

ロハス氏は、追加の対中関税やその他の措置を「市場は十分には織り込んでいない」と警鐘を鳴らす。

この間にも、貿易摩擦に根ざす企業収益への懸念は強まっている。

「トランプ・ツイート」の直前、米株相場が伸び悩む場面がみられた。

米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した10月の製造業景況感指数が57.7と前月比で2カ月連続で低下し、59前後だった市場予想を下回ったからだ。

回答企業からは「関税はインフレを招いている」(化学製品)など高関税措置の影響を指摘する声が目立った。

快走が続いてきた企業収益にも陰りがみえる。

ドイツ銀行のストラテジスト、ビンキー・チャダ氏の分析によると、決算発表で会社側が示した先行きの収益予想のうち、21%が市場予想を上回った。

この数値は大型減税の効果を織り込む過程にあった昨年10~12月期や今年1~3月期には3~4割と高水準だった。

「減税効果」の一巡を踏まえれば、こうした数値の低下を過度に悲観する必要はない。

今回も過去の平均の20%よりは高く、チャダ氏は「ノーマル(標準)への回帰」と指摘する。

ただし、ここから貿易摩擦の影響が一段の足かせになるのであれば、企業収益の先行きには警戒が必要だろう。

1日の取引終了後にはアップルが好決算を発表したが、慎重な見通しなどが嫌気され、株価は時間外取引で一時大きく下げた。

大手IT(情報技術)株への神経質な対応は10月相場の雰囲気に似る。

今週に入ってからの株価の反発が単なる「売られすぎの反動」で終わるのか、米中対立の終息も織り込んだ本格的な反騰局面に移っていくのか。

米株式市場は大きな岐路にさしかかっている。こに記事をお書きください。

31日のNY特急便

ハロウィーン本番を迎えた31日の米国株式市場は、街のお祭りムードが乗り移ったかのように、強い上昇を見せた。

ダウ工業株30種平均は30~31日で2.8%上昇し、2日間の上昇率としては2月以来、約8カ月ぶりの上げ幅を記録した。

ところが市場関係者の声に耳を傾けると、高揚感はあまり感じられない。

興奮なき「ハロウィーン・ラリー」の正体とは――。

「空売り勢の買い戻しにすぎない」。

31日の米フェイスブック株上昇について、米ジョーンズトレーディングの上場投資信託(ETF)取引責任者、デイブ・ルッツ氏はそっけなかった。

フェイスブックは前日の取引終了後に7~9月期決算を公表、売上高や利益はほぼ市場予想通りに着地したが、利用者の伸びの鈍化は鮮明だった。

投資家を強気にさせる内容とはいえなかったが、この日は4%高で取引を終えた。

スポーツ用品のアンダーアーマーは28%高、情報関連のアカマイ・テクノロジーズは18%高、半導体製造装置のKLAテンコールも9%高……。

前日の30日にも決算発表を機に大幅高になる銘柄が相次いでいた。

こうした銘柄の共通点はフェイスブックと同様、決算前に先行して大きく下げていたことだ。

大幅反発となった銘柄の中には、決算内容が市場予想を下回ったものもあったが、業績の強弱や業種を問わず、強烈な買い戻しに直面した。

「10月末の株価上昇は市場参加者の中でほぼ予想された範囲内のことだった」。

別のトレーダーはこう打ち明ける。

29日ごろから市場関係者の間で出回っていたのは米ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズのボリス・リャビンスキ氏の分析リポートだ。

中身をみると「月末にかけて270億ドル(約3兆円)のマネーが債券から株式に流れる」という内容。買い手不在といわれてきた中で、久しぶりに需給改善を予見させる材料だった。

年金などの長期投資家は、決められた資産配分比率に基づいて株式や債券を組み入れ、基準から乖離(かいり)した場合は月末などに調整する。

10月は株式の資産価値が大幅に下落した半面、債券価格はほぼ横ばいで「リターン格差は11年の欧州債務危機以来だった」(リャビンスキ氏)。

このため運用資産のうちに占める株式の割合が急低下する一方、債券の比率が配分基準を上回ってしまった。

基準値に合わせるため、機械的な「債券売り・株式買い」を迫られたわけだ。

米株式市場で「最大の買い手」といわれる企業の自社株買いも戻ってくる。

決算発表を控えて「休止状態」にあったが、11月以降、多くの企業が再開すれば「株価の追い風となる」(ゴールドマン・サックスのデービッド・コスティン氏)。

11月1日に決算を発表する米アップルは10兆円の自社株買い枠を設定中。

株価指数への影響力も大きいだけに、同社の自社株買い再開は市場に安心感をもたらす。

こうした需給好転観測を受けて、空売り勢が買い戻しに走り、「ハロウィーン・ラリー」を演出した可能性がある。

市場参加者が冷静さを保っているのは今回のラリーが需給要因によるものと見切っているからだ。

米ヘリテージ・キャピタルのデービッド・メーニッヒ氏は10月の株価調整の背景について「貿易戦争や米金融政策への不安、世界景気の減速」と整理した。

ここ2日間で投資家の不安を解消するような指標やニュースは出てきていない。

株価底入れを判断するには、もう少し時間がかかりそうだ。

30日のNY特急便

30日の米株式相場は3営業日ぶりに反発。

新材料に乏しく、下落基調が続いた後の値ごろ感からの買いが優勢となった。

中間選挙を1週間後の11月6日に控え、市場でも「政治」への関心が高まっている。

「(2年前の)大統領選以降、株式相場は大きく上昇してきたが、最近は小休止している。

人々が中間選挙の結果を見極めようとしているからだ。

株価を下げたかったら、民主党に投票することを強く薦めるよ」。30日朝、トランプ米大統領はこうツイッターでつぶやいた。

中間選挙は、現政権に対する信任投票的な意味合いを持つ。

前日29日の株式市場では日中の高値と安値の差が900ドルを超えたばかり。

株式相場の好調ぶりを経済政策の成功の象徴として誇ってきただけに、トランプ氏もその動きに神経をとがらせる。

最近の下落は一時的なもので、共和党に引き続きかじ取りを任せれば再び株価は上昇に転じると有権者にアピールした格好だ。

現在、与党・共和党が上下両院で過半数を占め、トランプ大統領は政権運営しやすい体制にあるが、中間選挙の結果次第で状況は変わる。

米メディアでは、下院は民主党が過半数を奪い、上院は共和党が多数派を維持するとの情勢分析が有力だ。

与党が議会の片方を失う「ねじれ議会」になることへの懸念が投資家の間でも広がっていた。

だが歴史的にみて、中間選挙の結果が株式相場に悪影響を与えることは少ないという。

米S&PキャピタルIQが、1944年から2014年の期間で中間選挙後から6カ月間の株式相場動向を分析したところ、選挙結果にかかわらず平均15%上昇していた。

また、米投信会社MFSインベスト・マネジメントによる1961年から2010年の50年間調査でも、「ねじれ議会でも株価は常にプラスを維持」との結果が出た。

こうした調査結果のおかげで政治がらみの先行き懸念が緩む一方で、不安をあおる報道もあった。トランプ氏が米国で出生した人に米国籍を付与する制度を廃止する意向を示したと伝えられた。

中間選挙を控えて保守層の支持固めをにらんだ発言とみられるが、こうした「排他的な発言」が実社会に与える影響は計り知れない。

27日、米東部ペンシルベニア州ピッツバーグのユダヤ教会堂で11人が死亡する銃撃事件が発生。

かつて欧州に存在したと歴史の教科書で習うような「反ユダヤ主義」という言葉を、日常生活で議論する現状に違和感を覚える米国人は多い。

「20世紀前半、民主主義体制を危険にさらしたのは右派の台頭で、左派ではなかったことを思い出すべきだ」。

米保守派の論客ロバート・ケーガン氏は9月に出版した近著で、2つの世界大戦前の世界情勢と現状の類似性を指摘。

米国は自ら築いた「リベラル・オーダー(第2次世界大戦後の国際秩序)」への信頼をそぐような言動を控えるべきだと訴えた。

中間選挙後、通常株価は上がるので心配する必要はない――。

その根拠となったのは、第2次世界大戦以降の経験則だ。

トランプ氏が「新時代」の指導者だとしたら、戦後73年間のデータは参考にならない可能性がある。

中間選挙後の株価動向が、それを判断する指標になるかもしれない。

29日のNY特急便

29日の米国株相場は荒い値動きになった。

ダウ工業株30種平均は買い優勢で始まり、前週末比の上げ幅は350ドルまで広がった。

ところが買い戻しが一巡すると急速に勢いを失い、結局245ドル安で終えた。

多くの長期投資家が様子見を強めるなか、短期筋の動きに振り回される展開が続く。

重苦しい雰囲気のなか、むしろ生き生きとしている著名投資家がいる。「新債券王」と呼ばれるジェフリー・ガンドラック氏だ。

「短期的には反発する状況にあるが、本当の『底』を見つけるには時間がかかりそうだ」。

米インスティネットの株式トレーダー、フランク・カッペレリ氏は29日の朝方、こんなメモを顧客に送り、警戒を促していた。

テクニカル指標をみると「売られすぎ」のサインが点灯しており、短期的には買い戻しが入りやすい地合いだった。

ところがチャート上は「2月の株急落局面より調整が長引くことを示唆している」(カッペレリ氏)という。

この日の相場はまさに同氏の予言通りの展開となった。

足元の米国株相場は「よりどころ」を見失ってしまったようだ。

株高の根拠となっていた米企業の好業績については、アマゾン・ドット・コムなど市場への影響力の大きい企業がことごとく投資家の期待を裏切り、買い材料になりにくくなっている。

困ったときに頼りになるチャート分析でも下値のメドがみえない。

「一部のバリュー(割安株)投資家が、売られすぎ銘柄を拾っている程度」(米ジョーンズトレーディングのデイブ・ルッツ氏)で、多くの実需筋は様子見を決め込んでいる。

相場が不安定になるほど市場参加者はその背景について答えを求めたがるものだ。

視線はおのずと市場に影響力のある著名投資家に向かう。

約13兆円を運用し、新債券王の異名を持つ米ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック最高経営責任者もそのひとりだ。


「ドイツ銀行は数十年以来の安値だ。

金融メディアはどこも報じないが」
「7~9月期の米国内総生産(GDP)は貿易赤字によって1.8%押し下げられた。

33年ぶりの規模だ。

前回はドル安政策がとられ、ドル指数は2年間で5割も下げた」
ガンドラック氏はここにきて不吉なツイートを連発している。

高い的中率で知られる同氏は、10月の相場波乱前に「米株一人勝ち」は長続きしないと警告しており、市場参加者は彼の予言を無視できない。

「私が注視するのはデータが変化しないのに、解釈が変わる魔法の瞬間だ」。

ガンドラック氏は自身のポジション(持ち高)を明かしてはいないが最近、英投資メディアで「もうけ方」についてこのように話していた。

金融市場ではデータの解釈が突然変わることがある。

26日公表の7~9月期の米GDP成長率について、エコノミストからは「減税効果による一時的な押し上げにすぎない」といった解説が聞かれたり、「設備投資が減速している」といった指摘が出てきたりするなど、急に弱気材料に注目が集まるようになった。

こうした解釈のブレが相場に変動をもたらした。

ガンドラック氏は市場の楽観見通しに一貫して懐疑的だった。多くの投資家が様子見姿勢を強めるなか、不吉な予言を連発する新債券王は、市場がまだ気付いていない事実を探し、貪欲に次の収益の機会を狙っている。

26日のNY特急便

主要企業の成長鈍化への懸念が米株式市場を覆いつつある。

26日はハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数が大幅に反落し、最高値から1割安の調整局面に再び沈んだ。

発表が本格化している2018年7~9月期決算は大幅な増益となりそうだが、投資家の視線は企業の成長力を示す増収率に向かっている。

「ハイテク株に対する投資家心理は驚くほど悪い」。

データトレック・リサーチのニコラス・コラス氏はため息をつく。

前日に7~9月期決算を発表したアマゾン・ドット・コムは10%、グーグルの持ち株会社アルファベットは6%それぞれ下落する場面があった。

両社の共通点は大幅増益でも、売上高が市場の期待ほど伸びなかったことだ。

アマゾンはヒンドゥー教のお祝いが後ずれしたことなどで、海外事業の売上高が減速した。アルファベットはドル高が売上高の伸びを抑制したのが主因だ。

アマゾンの純利益は前年同期比11倍、アルファベットは36%増と利益面では好調を維持したものの、投資家は増収率の鈍化に着目し見切り売りを膨らませた。

利益が好調でも、売上高が期待に届かないのは7~9月期決算の特徴になりつつある。

調査会社リフィニティブ(旧トムソン・ロイター)によると主要500社中で26日までに決算を発表した240社のうち1株利益が市場予想を上回ったのは78%と過去4四半期の77%に近い高水準。

一方、売上高が予想以上だったのは58%と過去4四半期の73%を大幅に下回っている。

SIAウェルス・マネジメントのコリン・チェシンスキ氏は、期待に届かない売上高をきっかけにした株売りが多い現状を「投資家は依然として持ち高を増やすよりも減らす理由を探している」と指摘。

利益が予想以上で売上高が予想に届かなかった銘柄の浮沈は、弱気な投資家と押し目狙いの投資家のどちらが優勢かを示唆しているとみる。

投資家心理は弱気に傾いている。

全米個人投資家協会によると24日時点で今後6カ月の相場に「強気」との回答から「弱気」との回答を差し引いた値はマイナス13.0%と、16年2月以来の低さだった4月中旬以来の水準に沈んだ。

米中の貿易戦争の激化が米経済成長に与える悪影響などへの警戒感が高まっている。

米商務省が発表した7~9月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、年率換算で前期比3.5%増と高成長を維持したが4~6月期の4.2%増から伸び悩んだ。

オックスフォード・エコノミクスのグレゴリー・ダコ氏は財政支出による景気刺激効果の消失や物価上昇、利上げなどが先行きの米経済成長の鈍化につながると指摘する。

企業の設備投資は0.8%増と、前期の8.7%増から急減速した。

法人税率の引き下げを受け活性化した設備投資の息切れは、成長の源泉である売上高の伸び鈍化を誘い投資家の買いの手を鈍らせかねない。

機関投資家の多くが運用指標とするS&P500種株価指数の予想PER(株価収益率)は、取引時間中に16年2月以来となる15倍割れに迫った。

割安感や値ごろ感に着目した「買い場」が近いとの声は増えつつあるが、高成長の「終わりの始まり」が意識される限り相場の戻りは鈍そうだ。

25日のNY特急便 踏みとどまったインテル


24日は2%を超える下げで年初水準を下回ったが、ハイテク企業の好決算や中古住宅販売指標の改善を受けて株価は持ち直した。

24日夕に市場予想を上回る7~9月期決算を発表したマイクロソフトやクレジットカード大手のビザがダウ平均を支えた。

市場関係者がこの日注目したのは、取引時間終了後に半導体最大手のインテルが発表した7~9月期決算だ。

前日までに発表があった同業のテキサス・インスツルメンツ(TI)やアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の決算が市場予想を下回り、一斉に株価を下げていた。

AMDのリサ・スー最高経営責任者(CEO)は25日朝に米CNBCテレビに出演し「データセンターやゲーム業界などの半導体需要は引き続き力強い」と訴えたが、投資家の評価は厳しく同日の株価は15%安まで売られた。

業界の盟主インテルの業績が投資家の失望を買えば、半導体株は総崩れになる。

結論からいえば、同日夕に発表したインテルの決算は、投資家心理をいったん落ち着かせることに成功した。

パソコン向け半導体の販売増などで売上高は前年同期比19%増。純利益は42%伸び、通期の利益見通しを引き上げた。

ボブ・スワン暫定最高経営責任者(CEO)は決算資料で「市場の競争は激化しているが、インテルは引き続き顧客から選ばれている。

18年は記録的な年になるだろう」とコメントした。

通常取引で前日比4.5%高まで買われていた同社株は、決算発表後の時間外取引でさらに値を上げた。

3年近く好調が続いてきた半導体市況は変調している。

中国経済の悪化懸念に加え、仮想通貨の相場下落で通貨発掘に用いる高性能半導体の需要が減速。

米国による対中関税もコストを押し上げる。

半導体受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は今月に入って18年12月期の売上高見通しを下方修正した。

モルガン・スタンレーは7月のリポートで「在庫が高水準にあり、生産のリードタイムは長期化している。

いったん需要が落ち込めば大幅な相場調整につながりかねない」と分析。

「そろそろ半導体株から距離を置くべきだ」と提言した。

マーケットの反応は素早く、6月に1400台半ばだったフィラデルフィア半導体指数(SOX)は足元1100台まで下げた。

米同業やアジア勢との競争が激しくなるなか、インテルは積極的なM&A(合併・買収)で事業を拡大してきた。

15年以降に人工知能(AI)向けの半導体メーカー2社を計3兆7千億円で買収し、自動運転向けの半導体開発に進出。

11日にはアリゾナ州が計画する自動運転技術の研究所設立への参加を発表した。

BライリーFBRのアナリスト、クレイグ・エリス氏は「インテルの買収戦略は前向きに評価できる」という。

だが、過熱する米中の貿易戦争は半導体業界のM&Aにも影を落とす。

米半導体大手のクアルコムは中国当局の承認が得られず、7月にオランダの同業大手NXPセミコンダクターズの5兆円規模の買収を断念した。

11月には先端技術の中国への流出を防ぐため、米半導体や情報通信分野への外資による投資規制が導入される。

今回は半導体株の連敗を止めたインテルだが、米中の対立が長引けば業界を覆う霧はさらに濃くなる。

24日のNY特急便/米株2万5000ドル割れ

24日
の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に3日続落し、7月以来の2万5000ドル台割れとなった。

朝方発表の航空機大手ボーイングの決算が市場予想を上回り、同社株は上昇。ダウ平均も高く始まった。

だが、ほどなくハイテク株を中心に売りに押され、取引終了にかけて再びコンピューター売買の売りを呼び込んだ。

市場の不安心理の根深さを印象づけた。

「関税・貿易問題や新興市場の成長などに関する投資家の懸念がある程度鎮まり、今回の強いフリーキャッシュフロー(純現金収支)が株価にプラスの触媒になる」(カナコード・ジェニュイティのアナリスト、ケン・ハーバート氏)

好調だったボーイングの決算を受け、アナリストらからはこんな指摘が相次いだ。

実際、同社株は相場全体が崩れるなかでも逆行高を演じ、終値でも1.3%上昇。

だが、相場全体を押し上げたのは、朝方のほんの短い間だけだった。

ボーイング、建機大手キャタピラー、工業製品・事務用品のスリーエム。

これらの3銘柄は、ダウ平均の採用銘柄のなかでも中国を軸に新興国での売り上げが多い。

このため、貿易摩擦の推移を読む「代理変数」として市場の注目度は高い。

いわば「中国関連の3兄弟」といったところだ。

ダウ平均が下げていた場合、この3銘柄が下落率上位に並んでいたら、

「市場は貿易摩擦の激化を懸念している」。

反対にダウが上げて、3銘柄が値上がり上位にいたら「貿易摩擦の懸念が薄らいだ」。

貿易摩擦の懸念が強まって以降、こんなふうに解説されることが当たり前になった。

この日は違った。

ボーイングへの買いがキャタピラーやスリーエムに波及する力は朝方から弱かった。

3銘柄の間で、業績の動向や市場の評価にはっきりと差が出てきたことが大きい。

ボーイングは足元の業績も良く、収益見通しも上方修正した。

商用機の需要は中国を含めてなお強く、トランプ政権の国防費増大を受けて軍用機部門の先行きにも期待が持てる。

半面、キャタピラーとスリーエムは前日発表した決算で、鉄鋼関税によるコスト高や中国市場の減速傾向が市場の失望を誘った。

高関税や貿易戦争の影響を心配する投資家は、ボーイングではなく、残りの2社のほうを、グローバル企業の「平均像」ととらえた可能性が高い。

「3兄弟」以外にも、貿易摩擦の懸念を呼ぶ決算が増えている。

ボーイングだけの力では市場の警戒を覆すことが難しくなっている面も否めない。

たとえば、半導体大手のテキサス・インスツルメンツ(TI)。

前日夕に発表した決算で10~12月期の利益見通しが市場の想定を下回り、売りがかさんだ。

同社幹部は決算説明で「我々はより弱い(半導体)マーケットに向かっている」と需要の軟化を認めた。

「需要の鈍化は幅広い最終製品にまたがり、とくに産業機械や自動車市場の減速がきつい」(BMOキャピタル・マーケッツ)。

市場では「対中関税の影響は、我々の想定よりも大きいのではないか」(米調査会社アナリスト)との不安を招いた。

TI株の急落が、半導体を軸にハイテク株の売りを誘い、最終的にプログラム取引の一方的な売りを呼び込む一つのきっかけになった可能性はある。

「強気相場は心配の壁を登る」。

ウォール街には、こんな格言がある。

懸念材料が目立ち、それらを少しずつ織り込んでいく展開のほうが、結果的に上げ相場は持続しやすいというわけだ。

だが、米調査会社ファンドストラットのトーマス・リー代表は「心配の壁は今や、疑念の山と化している」と指摘する。

貿易摩擦や高関税の影響、米連邦準備理事会(FRB)の引き締め姿勢、米中間選挙の行方や政治的な混乱――。あまりに懸念材料が多く、こなしきれなくなっている。

強気派でならすリー氏は「金融引き締めへの懸念は行きすぎ」などの理由をいくつか挙げ、年末にかけて上げ相場が再来すると見込む。

もっとも、ダウ平均が年初の水準を下回った今、市場参加者の多数は上げ相場の反発を見越して攻めの姿勢で臨むよりも、当面の下値を探ろうとする作業で精いっぱいかもしれない。

中国リスクに目覚めた株式投資家

中国リスクに目覚めた株式投資家

23日の米株式相場はダウ工業株30種平均が一時500ドルを超える下げに見舞われたが、引けにかけて買い戻しが入り、下げ渋った。

1日の値幅は約560ドルと大きく振れ、相場の不安定さを反映した。

日中の相場の急落を先導したのが、7~9月期決算を発表した建機大手のキャタピラーだ。

株価は一時、前日比10%下落した。

特別項目を除いた1株利益は2.86ドルと市場予想の2.84ドルを上回った。

好業績にもかかわらず投資家の売りを誘った材料は、2018年年間の一株収益見通しを従来から変更せず11.5

加えて鉄鋼追加関税の影響で材料コストが今年後半に1億~2億ドル程度の負担増になるとの見通しを示したことも投資家の懸念を強めた。

しかし、今回の決算で貿易摩擦の収益への影響が数字で示されたことで、やっと現実に目覚めたといえる。

トランプ政権による法人税減税実施からまもなく1年を迎え、減税効果は一巡した。

キャタピラー株の急落は「資本財・サービス」と呼ばれる業種の株式全般の下落を先導する形となった。

「株式相場急落の主因は中国だ」。

同氏の読みはこうだ。
中国政府による信用収縮で、これまで急激に伸びていた国全体のバランスシートが横ばいになりつつある。

それに伴い中国国内の需要が減速して、中国で事業を手がける日本をはじめとした製造機械メーカーなどが打撃を受けつつあるという。


この日のキャタピラーをはじめとした資本財・サービス業種の株価急落は、これまで中国リスクに鈍感だった投資家がその脅威を認識し始めた結果といえよう。

世界景気を支える柱になるこの業種の株価がベア相場入りすれば、それは景気後退懸念にもつながる。


17日のNY特急便

17日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落した。

終値は前日比91ドル安の2万5706ドルだった。

前日に急騰した反動で売りがかさみ、ダウ平均は300ドル以上下げる場面もあった。

追加利上げ観測の高まりも相場の重荷となった。

1990年ごろまで米国最大の小売りだったシアーズ・ホールディングスの破産申請で始まった今週の株式市場。

裁判所の管理下に入って当面は営業を継続するシアーズだが、最終的には事業清算に追い込まれるとの見方が多い。

近年は業績が悪化していたとはいえ、年間200億ドル(約2兆2500億円)を売り上げるシアーズの空ける穴は決して小さくない。

市場では、このビジネスチャンスをつかむ小売業者を物色する動きが盛んだ。

ネット通販の雄、アマゾン・ドット・コムは当然買われている。

シアーズの破産観測が急速に高まった1週間前と比べて、株価は4%超上昇した。

CPCストラテジーによる最新の調査では、オンラインで買い物をする人の8割が今年の年末商戦にアマゾンを使うと回答するなど、勢いは衰え知らずだ。

ウォルマート株の人気も根強い。16日に開いた投資家イベントでは、19年度もネット・実店舗ともに力強い成長が続くとの見方を示し、株価は急上昇。

16日の2%高に続き、17日も1%上昇した。

アマゾンとウォルマートの二大巨頭以外の小売りチェーンはどうか。

米投資会社ゴードン・ハスケットのアナリスト、チャック・グロム氏は「JCペニーがシアーズ破産の最大の恩恵を受けるだろう」と予想する。

同氏によると、シアーズが運営する全店舗の約半分は、0.25マイル(約402メートル)以内にJCペニーの店舗があるという。

都市部を離れると、米国では複数の百貨店やディスカウントストアが固まって立地していることが多い。よほどこだわりがなければ、一番近くの他のチェーンに移動するのが自然だ。

もしシアーズが事業清算を決め、全店舗を閉鎖した場合、19年度のJCペニーの既存店売上高は2%近く伸びる可能性があるという。

シアーズの売上高をジャンル別に見ると、別の勝者候補が見えてくる。

シアーズと傘下のKマートを合わせた売り上げの内訳をみると、家電や園芸用品、工具、自動車部品などの日用品が半分以上を占める。

この需要はホームセンターのホーム・デポやロウズが取り込むとみられる。

別の投資会社コーウェンによる調査では、シアーズの顧客の平均年齢は45歳、平均年収は5万9000ドル程度だった。

これはウォルマートやJCペニー、ブランド品を格安で売るオフプライス百貨店の客層とかぶっており、シアーズの顧客の流入が期待できる。

JCペニーの株価は年明け以降半減するなど、ネット通販時代にシアーズと並んで負け組に分類されてきた。

5~7月期決算でも売上高は減少が続き、赤字幅は拡大した。

今月2日に新しい最高経営責任者(CEO)を指名したばかりで、先行きには不透明感が拭えない。

ライバルの破産をチャンスに変えて業績改善につなげられなければ、自身も同じ道をたどることになりかねない。

10日の(NY特急便)米株急落劇再び

10日の米株式市場は大幅安に見舞われた。

ダウ工業株30種平均の下げ幅は800ドル台に達し、今年2月上旬の急落時以来の大きさとなった。

米長期金利の上昇や世界経済の減速懸念を契機にハイテク株が売られ、これまでハイテク株を大量に買い込んでいたファンド勢を軸に「売りが売りを呼ぶ」状況を呼び込んだ。

米株高を支えた「米国の強さ」ゆえの米長期金利の上昇が、皮肉にも高株価を許容しにくくしている。ハイテク株には新興国経済の減速懸念ものしかかる。

「強い米国」と「さえない米国外」が支えた「米国株の一人勝ち」。今回の急落劇は、その終幕が近づいている証しにもみえる。

「まるで氷山が遠い暗闇のなかに迫り、全速力のタイタニック号がやがて激突していく状況のようだ」。

米債券運用大手グッゲンハイム・パートナーズのグローバル最高投資責任者(CIO)、スコット・マイナード氏は株価が下げ幅を広げつつあったこの日、ツイッターでこうつぶやいた。

これは「米経済が、遠く2020年に起こる財政効果の息切れ(フィスカル・ドラッグ)に近づいている」ことをたとえたものだ。

しかも「インフレと労働市場の過熱を抑え込むための全速力の利上げ」のなか、景気の「崖」に突っ込んでいくことになるかもしれないと警鐘を鳴らす。

マイナード氏は7月に「この株高は最後のヤマ場。

投資家はいま売るべきだ」とつぶやき、市場で話題を呼んだ。

その後の一段の株高で警句は忘れられつつあったが、米長期金利の上昇基調をきっかけに米株価が崩れた今、こうした懸念は市場全体に広がり始めたようにもみえる。

米景気の強さを物語る景気指標が続くなか、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが加速する可能性が改めて意識されている。

とくに短期金融や債券市場では、利上げ路線の継続を織り込む動きが広がる。

米10年物国債など期間が長い金利ほど上昇が目立つのは、米景気の過熱が最終的にインフレ圧力へとつながるとの見方が強いためだ。

先行きの景気失速はこれまで長期金利を低位に抑え込んできた。

もちろん失速のリスクが消えたわけではない。

その手前のインフレのリスクと利上げ加速の可能性が、長期金利の水準を押し上げている。

こうなると、米株式市場も「強い米景気」を単純に喜んでばかりはいられなくなる。

急激な金利上昇そのものが景気に冷や水を浴びせかねない。

さらに低金利下では成長期待の見込めるハイテク株に資金が集中してきたが、金利が上昇すると適正な株価を測る指標面で割高感が否めなくなる。

FRBのパウエル議長は景気や物価の状況に応じた「柔軟対応」を強調する。

米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明文の分量がどんどん短くなっていることが象徴するように、先行きのヒントを減らして「データ次第」の構えを強めている。

RBCのエコノミスト、ジョシュ・ナイ氏はこうした変化が「投資家の間で、やや混乱を呼んでいる」と指摘する。

先々の景気失速のリスクがあるなか、利上げを早めに止めるのか、それとも加速させるのか

。戸惑いのなか、長期金利も株価も動きが激しくなりやすい。

米景気の強さが生んだ「内憂」だけではない。

無視できないのは「外患」だ。

米中貿易摩擦のもとで中国経済の減速懸念が強まっているほか、国際通貨基金(IMF)が世界経済の成長率見通しを引き下げた。

この日は朝方から景気敏感とされる半導体株への売りがかさんだ。

中国内需の減速懸念から世界的に展開する消費財や高級ブランドのメーカーの下げもきつかった。

宝飾品のティファニーは10%強下落したほか、ダウ平均の構成銘柄で下落率トップはスポーツ用品のナイキ(6.8%)だった。

この日午後には、ハイテク株の処分売りが下げを加速した。

成長株を買うグロース系や値動きの良い銘柄を取り込むモメンタム系と呼ぶ上場投資信託(ETF)などから急激な資金流出が起きた。

2月の急落時にもみられたパニック的な要素もうかがえる。

当面の米企業収益の好調さは揺るがない。

ハイテク株への押し目買いがすかさず優勢になるのか。

少しでも割安感のある好業績株へと本格的なシフトが起こるのか。

それとも、米株式そのものからの資金逃避が始まったのか。

11日以降の動きから目が離せない。

5日のNY特急便

5日の米国市場も金利上昇と株安の流れは止まらなかった。

長期金利の指標となる米10年物国債利回りは一時3.24%と前日比0.06%上げ、7年5カ月ぶりの高さを付けた。

金利上昇は株価には逆風となり、ダウ工業株30種平均は180ドル安と続落した。

長期金利が一段と上昇したのは、5日朝に発表された9月の米雇用統計が要因だ。

失業率は3.7%と半世紀ぶりの低さとなり、物価を占う指標として注目される平均時給上昇率は2.8%と今年2番目の高さだった。

ミラー・タバックのマシュー・マリー氏は「今週の長期金利の上昇を裏付ける強い内容」と話す。

長期金利は終値ベースで前週末に比べ0.18%上がった。

3日に発表された米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数が過去最高となったことも、今週の金利上昇を促した。

米国野村証券の雨宮愛知氏は「債券相場が経済データに反応しやすくなっている」と指摘する。

なぜか。

理由は米連邦準備理事会(FRB)の姿勢の変化にある。

FRBは9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明で「金融政策は緩和的」との文言を削除した。

金融政策の正常化の進展を踏まえ、パウエル議長は「景気に合わせて政策を調整する。

景気が弱まれば利下げの可能性もあるし、逆もしかりだ」と会合後の会見で強調した。

ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁の最近の発言もそれを補完する。

「将来のどこかで、政策金利を上げるのか下げるのかは自明ではなくなる」(9月28日の講演)。

3カ月に1回のペースで0.25%ずつ利上げしてきたが、経済データをみながら機動的に緩和と引き締めに動く考えを示した。

市場が以前にも増して経済データに関心を払うのも当然だろう。

債券投資家は米景気の一段の拡大を織り込み始めた。

今週、長期金利が大幅に上昇するなかでも市場の期待インフレ率は0.02%しか高まらなかった。

期待インフレ率は10年物国債と物価連動国債の利回り差で計算する。

裏返せば、市場が予想する実質成長率の高まりが長期金利を押し上げたことになる。

それに伴い、FRBの利上げ加速の可能性も意識しているはずだ。

長期金利の上昇は週明けも続くのか。

DAダビッドソンのメアリー・アン・ハーリー氏は「あくまでデータ次第」とし、11日発表の9月の消費者物価指数(CPI)と週内に相次ぐ米国債入札に注目する。

CPIが市場予想を明確に上回れば、インフレ予想の高まりから債券売りは続く。

入札が低調な場合でも債券需要の弱さが確認され、売り圧力が高まる。

同氏は「米経済の好調が続くなら長期金利は年内に3.5%まで上がる」とみる。

長期金利上昇が続く限り、株式は売られやすい。

機関投資家は一般に、投資先企業の将来のキャッシュフローを、長期金利に株式のリスクプレミアムを乗せた利回りで割って妥当な株価を計算する。

前提である長期金利が上がれば妥当な株価は下がることになる。

もっとも、米景気自体は絶好調なのだから、金利上昇を織り込めば収益成長に応じた株価形成になるはず。

債券相場が落ち着くまでは株式投資家にとって我慢の局面が続くことになる。